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○○依頼、受け付けます  作者: 殺人請け合い担当者・Venazi
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サンヒキメ…轢殺依頼、受け付けました

男はノンビリと部屋を眺める。


水晶が沢山床に転がっている。


キラキラと、光って綺麗だった。

誰も知らない何処か遠い場所に、小さな店がある。


名は“Die Agentur für Mord”…意味は、殺しの代理店、という。


一人の男が、床の水晶をジッと見つめていた。


風も無いのにコロコロと転がるそれを、静かに目で追っている。


カチャリ、と窓が開いた。


「オ客さん、ご用でしょウ?」


男が軋んだ声で笑みを浮かべると、不機嫌そうな青年は更に表情を険しくした。



「俺の父さんを殺してくれ」


青年は、とても憎々しげに言った。


「どの様にして殺しましょウか?」


男は飄々とした表情で聞き返した。


「車……いや、苦しませて轢き殺してくれ。」


青年は言いながら、小さな瓶を取り出した。


「イりませんよ?」


男が返しながら、本を渡した。


「ルールブック?」


青年は眉間の間の皺を深くしながら言う。


「その五、店の店主を殺そうとしてはならない…何だばれてたのか」


青年は不機嫌そうな表情をフッと緩めた。


「匂イで分かりますよ。毒でしょウ?」


男が僅かに笑いながら言った。


「その六、依頼は必ずやりとげます」


男は笑い、青年に言った。


「六時間以内に戻ってみせましょウ!」



男はつなぎに着替えると、顔を変えた。


そしてヘルメットをかぶり…何気ない様に工事現場に交じって仕事をした。


男は現場を静かに観察しながら、ダンプカーを運転する。


右へ、左へ。


前へ後ろへ。


そして、ターゲットである父親を発見すると…何気ない風を装って、車を突っ込ませた。


重量のあるダンプカーと固い岩盤に挟まれ、父親(ターゲット)は既に虫の息だった。


男は一撃で殺せなかった事を少しだけ悔やむと、今度こそ頭を轢いた。


父親の絶命を確認すると、男はなり変わっていた人物と交代になる様にして、消えた。



「只今戻りましたよ…っと」


男がぬっと床下から現れると、青年は驚いていた。


そして聞いて来る。


「どうなった?」


「ちゃんと殺して差し上げました。」


男は刺して興味のない様に言うと、一つだけ言った。


「さァ、オ代を頂きましょウか」


「なにを差し出せばいいんだ?」


青年が言いつつ、腕を差し出す。


男はやんわりとそれを押し戻しながら言った。


「父親の記憶を貰イましょウ」


男の手には僅かに煌めく水晶が乗っている。


「そんなもんで良いのなら、くれてやる…」


青年は言うと、来た時と同じように窓から出ていった。


「オ客さん、アりがとウござイました」


男はそれだけ言って、窓を閉めた。

男は嗤いながら水晶を床へと放った。


水晶は傷一つ付けず、コロコロと床を転がっていった。


光を沢山反射する水晶達は、天井に蠱惑的な模様を映し出した。


「さァ、オ客さんをオ待ちしよウ。」

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