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Ⅳ 一年目。
「じゃ、行こうか。」
彼は、私の手をさりげなく握った。
彼の手はいつも温かい。
「ここ、着いたよ。」
彼が連れて行ってくれたのは、町で一番高いタワーだった。
展望レストラン付きの景色のよい場所。
「もうすぐ、俺らが付き合って一年目だろ?。だから、一緒にご飯食べにいかないかな、と思ってさ。」
彼は、覚えててくれた。
あんまりこういうこと気にしないほうがいいかと思って、私はそういうこと考えるのやめていた。
「覚えててくれたんだ。ありがとう。」
私は微笑んで、彼の手を握り返した。
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。