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ⅡⅩⅰ 春哉の姿。

ついたのは、学習塾だった。


「なに?。ここどこ?。」

私の問いにママは答えない。

ただ、口に一本指を当て、

「しーっ。」

と、いうだけだ。


ドアを開けて、建物に入る。

建物は、どこか教室と似てるにおいがした。

鉛筆の、におい。


廊下は静まり返っていて、建物には誰もいないように感じさせる。

でも、A組や、B組と書かれた札の部屋の中には40人ばかりの人。

必死にプリントを解いている。


私も、あの日、あんなことしなければ、受験生だった。

今も、この人たちの中に混じって勉強していたのかもしれない。




つん、ママが私の肩をたたいた。

「見て。」

廊下から部屋が見えるようになっている。後ろのほうから、私たちは顔をのぞかせた。

透明のガラス張り。でも、中の人たちは私に気づかない。


「春哉君。いるよ。」

ママが指をさして教えてくれる。


前から二番目の左から三列目。


春哉の変わらない姿。

でも、少し髪が伸びている。

後ろ姿だから顔までは見えなかったけど。

きっと真剣なんだろうな。


「春哉。」

声には出さず、口先だけ、動かして、言ってみる。

「好き。今も、ずっと。きっと元気な子を産んでみせるよ。」





読んでいただいてありがとうございます。


次回もお楽しみに。

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