2/30
Ⅱ フロート
私は、中村未夢。合唱部に所属しています。
そして、彼は、北乃春哉。私と同い年でサッカー部に所属しています。
「クーポンもらったんだよね。一緒に食べね?。」
と、彼はフロートのクーポン券を差し出した。
このフロートは、とても高いうえに、数量限定なので、一度も飲んだことのない幻の飲み物。
「一個しか、もらえなかったんだ。だから、二人で飲もうよ。」
「いいよっ♪。」
私たちはいつだって半分こしてきた。二つあっても。
「先に飲んでいいよ。」
彼は、席に着くとそう言った。
「いいよ、春哉がもらったクーポンなんだもの。春哉が先に飲みな。」
「未夢が飲みなよ。俺は、未夢の笑顔を先に見たいから。」
彼は、優しい。
「あの…さ。」
先にフロートをいただくと、彼は、真剣なまなざしで私を見た。
「どうしたの?。」
中身のアイスをつつきながら、言った。
「今度、一緒に行きたい場所があるんだ。」
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。