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ⅩⅠ 気にかかっていること。
「とりあえず、二人とも候補はあげとこうぜ。それで決めよう。ま、俺は未夢と一緒ならどこでもいいんだぜ。もちろん女子高にも笑。」
春哉、冗談はよしてよ、そう言いかけて私は立ち止った。
水浦先生と朝川先生、市役所から出てくるのが見えた。
幸せそうな顔を浮かべて。
「どうした?。未夢。」
春哉は立ち止った私の目の先を見た。
「あ…。水浦先生と朝川先生じゃん。あの二人やっぱり付き合ってるのか。」
私に春哉は笑いかけた。
…もしかして…。もしかしたら…。
私は先生のことも気にかかっていたけれど、もうひとつ気にかかっていることがあった。
誰にも言ってない。言ってないんじゃなくて言えない。
…怖いから。
「未夢?。」
春哉の声でハッとした。
「どうした?。」
心配そうに春哉が私の顔を覗き込む。
「ううん。なんでもない。」
私は春哉に笑顔を見せて歩き出した。
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次回もお楽しみに。




