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すうぃーと or デッド  作者: 霜月夢人
空の使者と闇の化身
8/11

第六話

「よし、全員戻ったな」


山田先生が教壇で出欠をとる。


『朝岡と岡部がいません』


「あの二人は当分帰る予定がないから大丈夫や」


校内放送で呼び出された二人は、今頃職員室で松井先生の持て成しを受けている事だろう。


「掃除も終わったし、今日の予定は消化してんけど、まだ下校時刻にはかなり早いな」


髭をしごき、思案する。


「お前ら何かしたいことあるか?」


『『『席替えだっ!!!』』』


一斉に口を揃える。


「何でや?」


『私達は出席番号などという普遍のものに縛られてはいけません!そうした物から脱却し、新たな―――』


「本音は?」


『御園が羨ましいんだチクショウッ!』


実に単純明快な答えだ。


『御園の横暴を許すな!』

『御園遙樹に正義の鉄槌を!』


「ちょ、ちょっと待てよ!俺は何も―――」


『『『外野は黙ってろ!』』』


本人ですけど!?


「先生! こんなことが通るはずがありませんよね!?」


「面白いから許すわ」


「バカなっ!?」


『『『っ!しゃぁっ!!!』』』


「何故ですか先生!?」


「お前、天野に抱き付いたらしいな。天野の身の安全を考慮してのことだ」


完全に誤解を受けていた。


「冤罪です! 先生!」


「知らんわ。それでは席替えを始める!くじを引いて番号の裏に名前を記入したら箱に戻せ」


我先にと、生徒がくじへと走る。


『天野さんの隣は俺だぁぁぁっ!』

『武本さんの隣は(以下略)』

『黙れ!二人とも俺の嫁だぁぁぁっ!』

『『『ぶっ殺すぞ!!!』』』


浅ましすぎる。


女子二人もドン引きだ。


「おい、あとは御園と天野、武本だけやぞ。早く取りに来なさい」


渋々取りに行く。


天野さん、武本さんと続き、最後に俺が取った。


「全員終わったな、では発表する」


黒板に座席と生徒の名前が記入されていく。


『ガッデェェェム!』

『ふざけるなぁっ!』

『ёЯЧФлПχι!』


ヤバい、一人が大変なことに。


天野さんは一番後ろの窓際で、武本さんは天野さんの二つ隣だ。


河鍋が武本さんの右隣に落ち着き、クラス中が安堵する。


残る席はあと二つ、狙うは天野さんと武本さんの間の超VIP席ただひとつ。


もう一つはゴルバチョフの唾が届く、真ん中の最前列、ヘルズデスク。


残るは俺と・・・。


! あれはまさか!? エロい堂か!?


エロい堂とは二階堂真治のアダ名だ。


最高に男らしく、欲望に素直な男の称号である。


エロい堂を見ると胸の前で十字を切り、手をくんで必死に神に祈りを捧げていた。


山田先生の手がヘルズデスクに伸びる。


横一線にチョークを滑らせた。


『『『御園を殺せぇっ!!!』』』


一画目で名前を判断し、ハサミやカッターを構える。


「静かにせぇっ!」


山田先生の怒号で教室の動きが止まった。


「これで席替えを終了する!明日にはこの座席に座っときなさい!以上、解散!」


簡潔に言葉を述べ、教室を出ていった。


『気を取り直して・・・、Are you ready !?』

『『『YEAH! Let's play execution!!!』』』


Execution =処刑


は?


『楽に死ねると思うな!』

『てめぇの血は何色だぁっ!?』

『刺殺、撲殺、銃殺、絞殺全てを使って貴様を殺す』


皆、目が血走っている。


一斉に武器を掲げた。


「うるさい!」


甲高い叱責が皆を留まらせる。


武本さんが席を立ち上がり、俺以外の男子を睨む。


「あなた達は節操という言葉を知らないの!? 盛りのついた犬より見苦しいわ!」


腰から手を離し、佐伯を指差す。


「まず、あなた。勝手な妄想を抱くのは構わないわ、でも実現しようとしないで。貴方の身長と一緒で身の丈に合ってないから」


言葉のナイフが正確に急所へと突き刺さる。


『ドゥべふっぅ!?』


バタッ


『『『さっ!? 佐伯!?』』』


「次はあなた、寝言は寝て言いなさい。夢で見る分には問題ないけど、現実では私が拒否する限り犯罪よ」


『ゴバァッ!』


バタッ


「あなたは・・・キモい・・・」


『ドゥべぇしっ!』


バタッ


適当な理由が思い付かなかったから言ったのだろうが・・・、一番ひどい。


「あなたは―――――」


『ジュブゥッ!』

『アバァッ!』

『ドゥべるぶっ!』


死体が積み上がっていく。


「最後に、二階堂君?」


『な?何ですか?』


にっこりと武本さんが微笑む。


「そのイヤらしい顔が生理的に無理。死んで」


『ひでぶっ!!!』


バタッ


ものの数十分で死体の山が築かれた。


シクシクとすすり泣く声がするのが、さらに恐ろしさを際だたてていた。


「ふん」


武本さんは踵を返すと鞄を手に取り、出ていってしまった。


いつの間にか天野さんも消えてしまっている。


「俺も帰るか」


こいつらが生き返る前に・・・。


無数のすすり泣きを背に速足で教室を出ていった。


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