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すうぃーと or デッド  作者: 霜月夢人
プロローグ
2/11

プロローグ 光

明るい室内に女性が多く見られる。


男性も幾人かはいるものの女性が圧倒的に多い。


先ほどの部屋に良く似ているが、こちらはゆったりとしたチュニックのような服で、白が多く見られる。


彼女達は忙しそうに動き回っていた。


「シルフィム様、ボスがお呼びです」


一人の女性が話しかける。


「はい?なんでしょう?」


その声に反応したのは一人の少女。


大きな翠瞳(すいとう)を瞬かせる。


彼女は席から立ち上がり、部屋の奥にある黒塗りの両開き扉を開け、中に入る。


「お呼びでしょうか」


中には大きな木製のデスクがあり、肘掛のある大きなイスに一人の老人が座っていた。


彼は白い口ひげを蓄え、威厳のある姿をしている。


目は優しい光に満ちているが、見るものを圧倒する何かをその中に秘めていた。


そして、奥にある大きな窓には真っ青な空が広がっており、ここがかなりの高さだという事をうかがわせる。


「うむ、大切な任務を君に頼みたい」


彼は机から封筒をを取り出した。


大きくSECRETと印字されていた。


「この対象を監視、護衛して欲しい」


封筒にはある男の写真と、彼のプロフィール。


まったくもって普通の高校生。


身長、体重、身体能力、どれを取っても平均値だ。


最後に注意事項。


目を通すが、これには流石に遠慮したくなった。


「目立たないようにしたかったのでしょうが、これはやりすぎですね」


「そうだ。解っていると思うが、全てがまったく平均をはずしていない」


身長、座高は1ミリの狂いも無く、体重も63.39キロ。


こんなに正確無比な人間はいない。


「しかも彼の生まれ変わりとは」


「そうだな。本来仏や、他神に転生してもらうはずだが・・・」


「拒否したようですね」


「うむ。まったく困ったものだ」


髭をしごきながら眉をひそめるボス。


「了解しました。承ります」


「頼んだぞ。くれぐれも起こしてはならん」


「理解しています」


恭しく一礼し、部屋を退室する。


そしてそのままエントランスまで歩いた。


大理石で出来ている建物は、天井にあるステンドグラスから差し込んでくる光が反射し、


室内を明るくする。


目の前には大きすぎる門。


「どちらに行かれるのですか?」


受付の女の子達が話しかけてくる。


「ちょっと下へ」


そう答えると、彼女の体が輝き、背中に純白の翼が6枚現れた。


「いってきます」


受付に手を振ると、彼女達は一礼した。


同時に門が開かれる。


シルフィムは翼を羽ばたかせ、門を出た。


「行ってらっしゃいませ、熾天使(してんし)様」


彼女がそう呟いたときには、シルフィムは遥かか彼方へと消えていた。

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