第78話 ミロの決意
夜明け前の静かな空気の中、ハコニワの高台にて 杖術の修行に一人励むリーフラ族の姿が…
それは王女ミロだった。
闘牛を思わせる力強さをその瞳に宿しながらも、表情にはまだ迷いが残っていた。
「……父上も、四天王も、罪を背負いながら前に進んでいる。
私も……覚悟を決めなければ」
小さく呟いた声は、朝の風に溶けて消える。
背後から足音が近づいた。振り返ると、そこにはノラとクロ、そしてタロとイヴの姿があった。
「こんな時間に、どうしたんだ?」
ノラが問いかけると、ミロはわずかに目を伏せ、やがて真っ直ぐに顔を上げた。
ミロは強く頷いた。
「父の言葉も有り私は心の中で決めていた。
でも今は違う。これは“王の娘”としてではなく、私自身の意志。
夢を奪わぬ未来を望むなら、私自身が前に立たなければならない」
その言葉に、ノラの胸が熱くなった。
(……彼女もまた、覚悟を決めたんだ。俺と同じように)
イヴが一歩近づき、ミロの手を握った。
「ミロ……一緒に夢を見よう。小さくても、儚くても、それを繋げればきっと未来になる」
ミロの瞳が潤み、柔らかく微笑んだ。
「……ありがとう。あなたがそう言ってくれるなら、私は怖くない」
タロは拳を握りしめ、大きな声で宣言した。
「よし! これでまた仲間が増えた! 僕たちで必ず夢を叶えよう!」
クロは静かに頷き、剣の柄に手を添えた。
「……ミロの決意、しかと受け止めた。
ミロからたくさん学ばせてもらう」
確かに前へ進もうとする響きがあった。
朝日が昇り、黄金の光がハコニワを照らし出す。
ミロの角がその光を受け、力強く輝いた。
それは彼女の決意を象徴するかのようだった。




