第104話 向き合う図書室
クロは紹介所の一角に設けられた空族の図書室で、古文書に向き合っていた。
「……この問いは空族の歴史、文化、自然との関わりを理解していないと解けない」
目の前の課題は問いかけていた。
「空族はなぜ二重の山を築き、外界から隔絶したのか?」
「空族が王に忠誠を誓う理由とは?」
「空族が守るべきトヒの存在意義は何か?」
クロは手元の書物と、これまでの旅で見てきた空族の風景や習慣を思い浮かべる。
切り立った白い山、黒い花崗岩の壁、飛び交う鳥の群れ、天井に吊るされた光の水晶――それらが問いの答えのヒントになる。
空族の司書が静かに声をかける。
「答えは書物だけにあるのではない。観察し、感じ、理解するのだ」
クロは頁をめくりながら、問いを自分の経験と照らし合わせる。
「なるほど……外界との隔絶は、都市を守るためだけでなく、空族自身の誇りを守るためでもあるのか……」
しかし、まだ全体像は霧の中だ。
「う……部分は理解できた……でも、まだ……」
クロは歯を食いしばり、書物の束を抱え直す。
「空族を理解し、必ず答えを導くんだ‥!」
と言い聞かせ答えを模索した。
同じ頃、ノラは力の試練に向かう為先程のツバメのナチュラビスト、スワロに闘技場に向かっていた。
ミロは優しさの試練として、街中で困窮する空族達に手を差し伸べ、思考と感情の限界を試される。
三者三様の試練は、まだ始まったばかりだ
それぞれが学び、経験を積むことで、離れながらも気持ちを1つにし
乗り越える強さを心に固めていた。




