7月14日
こちらは百物語九十五話の作品になります。
山ン本怪談百物語↓
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私が昔付き合っていた彼女と体験したお話です。
大学時代、私は同じサークルにいるSという女性と付き合っていました。
彼女は私より2つ年上でしたが、とても落ち着きがある女性で恋愛経験も豊富でした。
ある日、私は彼女を驚かせるために「サプライズデート」を仕掛けたのです。
日程は「7月14日」で、内容は近くの水族館へ行った後に旅館でのんびり過ごすというものでした。
サプライズデート当日、私は彼女をいつも一緒に行くファッションストアの前へ呼び出し、サプライズデートの内容を伝えました。
「あぁ、そうなの。まぁちょっとだけならいいよ」
彼女の反応がなんだか素っ気なかったことは今でも覚えています。こういうこともたまにあったので、私は気にすることなくデートを始めました。
水族館へ行く途中、私は道で偶然すれ違った男性2人組に声をかけられました。
「お前、何やってんだよ!今日は何の日かわかってんのかっ!?」
男たちは意味のわからないことを叫びながら、私の胸ぐらを勢いよく掴んできたのです。私は咄嗟に胸ぐらの手を振り払うと、彼女と一緒に必死になって逃げました。
「危なかったねぇ、大丈夫?」
男たちから逃げ切った後、私は彼女に向かって声をかけました。
「うん。こういうこともあるから」
その時の彼女の反応もかなり素っ気なかったと思います。私たちは気を取り直すと、すぐに水族館へ向かいました。
水族館へ到着すると、再びトラブルに巻き込まれてしまいます。事前に予約をしていたイルカの餌やり体験が急遽中止になってしまったのです。
「申し訳ございませんお客様。しかし『こんな日』に来るお客様もどうかと思いますよ」
受付の人が私たちに向かって失礼なことを言い始めました。私は怒って何か言い返してやろうと思っていたのですが、彼女がそれを制止します。
「いいよ。こういうこともあるから」
諦めた私は、彼女と一緒に一旦旅館へ向かう事にしたのです。しかし、ここでもトラブルが発生します。
宿泊の予約をしていたはずの部屋が、どういうわけか予約できていなかったのです。もちろん確認していなかった旅館側の責任でした。しかし…
「このたびは大変申し訳ございません。代わりのお部屋を用意しますので、しばらくお待ちください。でもお客様が悪いんですよ?普通こんな日に来ないでしょ?」
またこちらが悪くないのに悪態をつかれてしまいました。しかし、彼女はまた…
「こういう時もあるから。大丈夫だよ」
素っ気ない態度でした。私は用意された部屋へ移動すると、すぐに彼女へ謝罪しました。
「せっかくのサプライズデートだったのに、トラブルばかりで本当にごめん…」
頭を下げる僕を見た後、彼女はスマートフォンを弄りながら小さな声でこう言ったのです。
「仕方ないよ。今日は『元カレ』が自殺した日だし」
私はそれ以上何も聞けないままサプライズデートを終えました。
その後、彼女とは自然と疎遠になってしまい、2度と会うことはありませんでした。