揺らぎ
3日がすぎて。
冬利が色々やってる間、私も一人で色々やっているのだ。
その日冬利は調査をしていた。
その日も私は海にいて、いつものようにお宝を探していたんだけど。
私:「あ、あいつ……!」
私は見つけてしまったのだ。私のお宝を奪ったあいつを!
名前は確か、なんだっけ……いや、聞いてないわねそう言えば。
そのヤクザは何やらコソコソしていて、挙動不審だった。
私:「あいつ……何やってるんだろ」
そういえば、あいつは私の絵画を盗んでどこに隠したんだろ。
ってかゆるせなくない? 私が見つけた絵画なのに……っ!
あのとき、あいつが怖くってあんまり言えなかったけど、人のもの盗むって、許せないことだわ。
よし、後をつけよう。
そんで絵画の隠し場所を見つけるんだ。
?:「だれだ!?」
やばいもう見つかったー!?
?:「! ってめぇ、たしか洞窟のとこであった……」
私:「……帯浦ユノ、私の名前。ね、返してよ、私の絵画!」
辰坊:「ふん、ご丁寧に……。おれは辰坊って呼ばれてる、あの絵画は今……」
そわそわ、きょろきょろと、あの洞窟で出会った時と比べて挙動不審すぎる。
それに、やけに上着のポッケを気にしている。
私:「? 何か持ってるの?」
と、それをいった途端……
私は何かを口に押さえつけられて、気絶した……
辰坊:「……! ……なはずじゃなかったのに!」
その怒声で気がつく。
私は薄暗い倉庫の中で、手と口に縄を縛り付けられていた。
私:「んー! んーー!?」
辰坊:「あ、ああぁ、気が付いたか、あぁ」
手先が震えているのか、椅子に座ろうとしているが座れない。
辰坊:「くそ! あぁーっ、もう、しらねぇ……」
そういうと上着のポケットから注射器を出し、自分の腕に……
私:「っ!」
それをみてはいけないと思った。みてしまったら、それを理由に脅迫されるような。
辰坊:「――――――――っはぁあああ〜……」
目の前の男は冷静さを取り戻した。
…………
辰坊:「お嬢ちゃん」
辰坊:「騒いでも無駄だが……騒がないでくれるとありがたいぜ」
そう言いながら、腰からナイフを取り出して……
口についている縄を切った。
私:「…………」
辰坊:「あ〜、で、絵画だったよなぁうん……あれは……」
と、また様相がおかしくなる男。
辰坊:「そうだ……あれは今俺のもの……っ! 俺のやったことはまだ……バレていない! バレていないはずだ、ククククク……っ!」
いひひ、いひ、いひひひひ……と笑う彼に、私は何も言えなくて。
辰坊:「おい」
びくっ!
辰坊:「帯浦―とか言ったな、お前……」
辰坊:「お前は何もされなかった……ああ、そうさ、ポケットには何も入っていない……あの絵画はもう俺のもの……これ以上は関わるな」
その言いように腹が立ってしまった。
私:「そんなわけには……行かないわ」
辰坊:「ああ?」
もうひるまない!
私:「絵画は私のもの! 証拠はないけど……今頃きっと冬利がなんとか」
辰坊:「うるせぇ」
どすっ…と。
私:「……え?」
辰坊:「ふぅー…………静かに、話せよ」
男は注射器を、私に刺した。
辰坊:「いいか?あの絵画……たしかに森青組が奪ったと言える。冬利とかがなんとかしてくれるってのもまぁいいじゃねぇか、希望を持つのは」
辰坊:「だがなぁ……確信してんだよ。俺はあの絵画を、うまく操れる。誰が持ったとしても、俺にはそいつを消し去る力があるんだ、それを見つけた」
ドクン、ドクンと心臓が恐怖を奏で始める。
辰坊:「お前を消したっていいんだ……その力で。だが……うん」
男はわたしの胸を……がしりと握った。
辰坊:「明日また、ここに来い。断ったらどうなるかくらい、お前にもわかるんだろ……?」
注入されたそれが、何かはわからない、
だけど私にはもう、何も考えられなかった。
男はそういうとナイフで縄を切り、姿を消した。
翌日の朝は、なんだかとても静かだった。
これはのちに感じたことだが、もしこの日の朝がとても騒がしかったら、私の行動は変わっていただろう。
宿がうるさいと感じた私は海へ行くだろう。そして、何かを発見さえすれば……それに夢中になって、今この立場は変わ
っていたわけで。
そう、変わっていた。変わることが、その日の私でも感じていた。
でも、そんなことは起こらなかった。
倉庫にて……
そこからの私は、あまり自分の意思を保てなかった……
男は帯浦ユノの姿を見ると、目つきが変わる。
男:「……よく来た、いやくるしかないか……」
男:「まぁ……とりあえず……」
『脱げよ』
ユノ:「!」
帯浦はその命令に、肩を振るわせた。
その心境は彼女にこそわからないが、おそれよりも、誰かへの失望が混じっていただろう。
するりと、その服を脱ぎ始める。
男:「ふふふ……いいからだじゃねぇか……」
どすっと…。
それが体に注入される。昨日も見たそれが体に入った途端、確かに帯浦は自らの体が熱くなるのを感じた。
ユノ:「あっ……」
あらわになった肌を男は蛇が這うように触る。
二人の呼吸は次第に熱くなる。
ユノ:「あ……っ、や、ちょ……はぁっ」
男:「拒絶するのか? できるのか?」
ユノ:「! ……」
体を守るような腕を、帯浦は自分の意思で解いた。
下着を……男が自分の服を脱ごすことを、帯浦は拒絶しない。
いや、帯浦は全てを拒絶しないだろう……もはやその気力は彼女にはない。
男も来ている服を脱ぎ、熱りだった男根を帯浦に向ける。
男:「やり方くらい、わかってんだろ?」
帯浦がこれらを拒絶しないのは、自らに打たれた薬のせいだろうか、それともこの世の全てに興味を失ったからか。
れろりと……それを舐める。
男:「ははは……」
男:「最高の眺めだな……こりゃ」
ちゅぱちゅぱと……赤髪の美少女は目の前の男を喜ばせる行為を行なっている。
男:「おら、もっと……俺を気持ち良くさせろ」
ユノ:「んっ……んむ… …んは、はぁっ」
れろ、れろと、男根を妖艶に舐める彼女は、嫌々やっているようには男には見えなかった。
だからこそ男は自信がつき、もっと横暴に、もっと自由に彼女の体を求めた。
男は帯浦の口から男根を抜き、手を腰に這わせ、下についている衣服も脱がす。
そのまま男は帯浦の女性器を撫でる。
男:「なんだ……濡れてるじゃねぇか」
ユノ:「そ、それは……あっ」
くちゅくちゅ…と確かに音を立てている。
ユノ:「薬の……せいだわ」
そういうユノに、男は……
笑みを浮かべて……
男:「ふふふ……」
そういいながら、その男根をユノに押し付け。
男:「そういやぁ……お前は何か勘違いをしていたなぁ……」
ぬぷぷぷと……男根はユノに入っていく。
ユノ:「ああぁっ!」
男:「ありゃただの栄養剤だ」
ああ……
やっぱりと……帯浦は思って。
彼女は男に自分の全てを捧げた。
帯浦は快楽に潰された。
男は全てを手に入れたのだと思っていた。
帯浦も何も感じず、ただ彼の都合のいい性の捌け口となった。
あくるひ、男は消えた。
それは自分が手に入れたと思った力が、消えていたからだ。
どんな存在でも洗脳し、意のままに操れる絵画。それはいつの間にか、アジトにはなかった。
帯浦は調教され、男の体を求める肉体と成り果てた。