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第1話 気が付けば落ちていました

ごぉ~

意識が目覚めていく。

どんどん暗闇に沈んでいく


ごぉ~~

今まで自分が何をしていたのか思い出せない。

体全体で風を切っている


ごぉ~~~

さっきから風を切る音が耳に響く


ごぉ~~~~

これ、沈んでいってるんじゃなく、落ちて行ってる?


今、自分がどうなっているのか、周りを見て確認しようにも真っ暗で何も分からない。

分かるのは、ただひたすら暗闇の中落ちて行っているという事ぐらいだ。

視線を動かし周囲を確認してみる。

周りは真っ暗で何もないと思っていたが、上に視線をやってみると、ボヤけた光が見える。その光の大きさはとても小さく、さらにどんどん小さくなっていく。

どうやら、相当な速さで落ちて行ってるみたいだ。

夢であっていてほしい、そう心に強く願う。


しかし、落ちる感覚がリアルすぎた。

いずれか起きるであろうことが脳裏をよぎる。

このままだといずれ地面に・・・!

一気に恐怖が沸き上がりたまらなくなった。


(ああ・・・)


声を出したつもりだが出ない。

それでもかまわない。


(あああああ~~っ死にたくない・・・死にたくない!!)


大声で叫んだつもりだが、それは周りに響くことはない。

もうどうしようもない、このままだと確実に死ぬが、諦めるしかない。

死への恐怖はあるが、このまま落ちても痛みなどないだろう・・・諦めよう。


まるで最初から死を受け入れていたかのような不思議な感覚に包まれる。

むしろ死を望んでいた?

なぜかは思い出せない、思い出せないけど全てがもうどうでもいい。

俺は全てを諦め、目を閉じた。


目を閉じても真っ暗で、閉じる前と同じ光景であることに笑みが出てきた。

今の状況の解決を諦め、死を受け入れ、心に考える余裕ができたのだろう。

自分が一体何者なのか、思い出す。


俺の名前は天之原あまのはら あきら、16歳、日本の大阪で生まれ育った。一軒家に住んでいて、お母さんとお父さんの3人暮らしだ。兄弟はいない。

家族とは仲睦まじく、1年に数回、皆で旅行に行く程だ。周りに自慢できるとてもいい家族だ。


まだ親孝行もしていないし。死ぬ前にしたかったな・・・親孝行。

そんな楽しい家族との思い出に浸っていると、中学生の時、好きだった女の子がいたことを思い出した。その女の子とはどうなったんだっけ・・・思い出せない。

友達になったのか、さらにその先の恋人同士になったのか、全然思い出せない。


そんなことを考えていると、さっきまで死を覚悟していたのに、生きて確かめたくなってきた。助からなきゃ!!

そう思っていると、暗闇の下に、ぼんやりとした小さな光を見つけた。そこに落ちたら助かるかもしれない。そんな確証はないが、そう思わざるを得なかった。


しかし視界の右下に見えるため、このままではそこにたどり着けない。

必死にあるかも分からない体を傾けて光の方に向かう努力をする。

(俺は、死にたくない!!)

そう叫びながら、光に向かう。

光はだんだんはっきり明るくそして大きくなってきた。

そして、視界いっぱい光に覆われた。


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