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バス停
翌日、まひるに見送られてわたしは出発した
父さんの運転する車に揺られて少し田舎な道を過ぎていく
窓の外をボーッとながめているとバス停が見えた
バス停のそばに着物を着た80代くらいのおばあさんが立っている
その横を過ぎていると、おばあさんと目があった
おばあさんの口がなにか話しかけるように動く
「え?」
「どうした?すず」
父さんが不思議な顔で話しかけてきた
「あ… いや おばあさんと目があった気がして…」
「おばあさん?どこだ?」
しまった…父さんには見えてない
「あ!なんでもない!気のせいだった」
「そうか」
あわててごまかした
なんだったんだろ…
「もうすぐ着くぞ」
バス停から20分ほどで新しい家に着いた