プロローグ的なエニシング その5
プロローグ的なエブリシン その5
「ほう。それらが見えるかね?しかも、負けておらん。オモシロいなキミ」
とオレの顔を覗きこむシルバーウルフ…失敬、後期高齢者
もといご老人。
だってしょうがないじゃないか?怖いんだもの。
白髪を綺麗にまとめ、高級そうなスーツで決めて、背筋も曲がってないしかくしゃくとしたご老人だよ?
でも、さっきから両手わさわささせてるし、眼光?ての?ギランギランだもの?怖いでしょ?口が悪くなってもオレは悪くないないはず。
これでQEDですよ?反論は認めない。
「誰?」て普通Aに聞いたら「先代です」ってさ。
前社長ってことでしょ?大企業だよ?怖いでしょ?
「たまたま資料室に来たら、流暢な米語で罵詈雑言が聞こえて来てな」
え?話すの?誰と?オレと?
「ヤンチャな外人さんが問題起こして、従業員のピンチかと助けに来たんじゃが」とSPをアゴで示しながら、まだまだご老人のターン。
「入ってみたらなんとこの状況じゃ?面白かろう?」とにじり寄らないで。
「しかも奇遇なことにこれはまさにワシの専門じゃ」と大笑するご老人。
「ご苦労さん。ほれ、君らはもう良いぞ」と普通A達を手で払うように追い出しにかかる。
負けないで、一人にしないでとアイコンタクトを普通Aに送るオレ。
「会長、ですが」と反論を試みる普通A。
頑張れ負けるなと目で応援するオレ。
「ワシの専門と言ったぞ?君らが知るべきではないと分からんかね?」
静かな口調と眼光にご老人の圧力にあっさり負ける普通A。異常な低姿勢で逃げるようにさっさと退室。裏切り者め!
えー?専門なにそれ?この妖怪ジジイの相手はオレひとり?まじで?
「さてまだ時間はあるかね?」と笑顔のご老人。
なんか背中のオーラを幻視して断れないオレ。
「じゃ、こっちじゃ」と着いていくしかないトホホな現状。
敦盛でも踊れば良いのか?是非もないのかオレには?
と思いながらも大人しく拉致されて行くのであった。
次回、長かったプロローグの終わりです。