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第七話

 みんなが、僕の近くまでやってきた。

 みんな笑いながら、僕にこう言った。


「うらやましいぞ、レナード」


「カノからお前へ、ラブレター預かったんだ」


「読んでみろよ」


 だけど僕は、みんなの顔を見て

 −−中身も見ずに、破ったんだ。


「おい、何してんだよ!」


 動揺して、突っ込んで来る体を、僕はいとも簡単に避けて。

 それにむかついた奴らの飛んでくる拳を避けて。

 蹴りを避けて。

 僕は、こう言ったんだ。


「本人からじゃないと、受け取れない」


 分かっていたんだ。

 それが、偽のラブレターだってことは、みんなを見た瞬間に分かっていたんだ。

 俺の、この行動は正解だったのだろうか。

 みんなに騙されたふりをすれば良かったのだろうか。

 答えは無かった。

 何をしても、嫌われるか、馬鹿にされるか。

 だから。

 だから俺は、孤独を選んだ。




 そういえば、そんなこともあったよな。

 夢の途中で覚醒して、少し考え込んでいた。

 答えなんて無かったのだ。

 ただ幼いながらも一丁前にこんなことを考えていた。


『孤独は、逃げではない。むしろ、わざと騙される方が逃げだ。孤独はある意味、もっとも辛い選択肢なのだ』


 ばあちゃんの言葉は、それなりに俺を苦しめた。

 『逃げてはいけない』というその言葉は、何を言いたかったのだろうか。

 ただその言葉は俺の生き方を決めてくれた。

 解釈として合っているのかは分からないけど。


「その孤独を選んだ俺が女の子と一緒に旅してんだから笑っちまうよな」


 思えば、俺を陰で苦しめていたのはこの娘だというのに。

 だけど、俺が彼女を帰すのは自分の意志からなのかそれとも血筋のせいなのか。

 それが分からなかった。

 できれば、自分の意志でありたかった。

 『やらせれている』という感覚を人助けで味わいたくは無かった。


「腹減った…」


 そこら辺はやはり、成長期真っ盛りの男子なのでしょうがないと思う。


「薪集めてくるかな…」


 カエデから少し離れ、薪を集める。

 太いもの、細いもの、その中間。

 いくつか薪になりそうなものを集めて、また戻った。

 そして、昨日と同じ手順で火をつける。


「あったけー…」


 昼は暑いが、夜と朝は冷えるのだ。


「お、カエデおはよう」


 ふと、カエデの方を見ると彼女は上半身だけ起こしてこっちの方を見ていた。

 かなり、眠そうである。


「朝食できるまで待ってなー」


 通じないけど、一応声をかけておく。

 その後、俺らはまた昨晩の残り物でスープを作り、出発の準備をした。

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