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第六話

「ここまで来れば大丈夫か…」


 しかしな、今まで考えてなかったが確かに俺は重い荷物とカエデ付き。

 もし誰かに見つかれば闘うことはまぬがれないだろう。

 闘うことになったときに、俺は移動することができない。

 なんか飛び道具でもあればいいんだけどな…

 飛び道具…か…

 カエデを投げてみるとか?

 カエデが俺に投げられて敵陣に突っ込んでいくのを想像してみる。

 ………無理だ。

 しかし例のお告げが行き届いているのも村の中だけだろう。

 村から出れば何日間かは安全なはずである。


「………腹減った〜」


 カエデの目を見てみる。

 なぜかカエデはニコニコしていた。


『お兄ちゃん強い♪』


「ぐはっ...」


 レナードに200のダメージ。

 この娘はこの後何回俺を悩殺するんだろうか。

 怖くてしょうがない。

 むしろ帰してやらないで一緒に暮らしたかった。

 まあ、それは無理なことなので置いといて…

 リュックから飯を出した。

 カエデに差し出すと受け取り、包みを開け始めた。

 中身は…穀物を固めて丸めた物(名前は忘れた)だった。

 保存食としてはかなり使えるし、結構満腹になるものだが…

 なにしろ味が無いのだ。

 スープとかに入れて食うとうまいんだけどな。


「よし、カエデ。次の街でスープの材料になりそうな物を買おう」


 そのまま食べようとしていたのを取り上げ、また包んでリュックにしまった。

 昼飯は我慢だ。

 晩飯を豪華にしよう。



 何時間か歩いた後、やがて街が見えてきた。

 いろんな食べ物が売っている。

 宿屋もある。俺らはそんな金ないけど。

 よし、まずは食い物だな。

 いろんな店を回って、スープの具を買った。


「よし、じゃあスープ作るか」


 街から少し離れたところで、俺は荷物を降ろした。

 薪を集めなくてはならない。

 俺は薪になりそうな枝をそこら辺から拾ってきて、カエデに見せた。

 すぐにカエデは理解したらしく、薪を集めてきてくれた。


 薪がいい感じに揃ってきたので、買っておいたマッチを擦って火を付けた。

 中央に集めてある葉に火をつけると、その周りの細い枝が温められ始める。

 やがて、細い枝に火がつき、同じように、太い枝に火がつく。

 パチパチと音を立てながら揺らめく炎に俺たちは少し見とれていた。





 飯を食い終わり火を消してリュックの中の寝袋を広げて、その中に入っていた。

 カエデは歌を歌っていた。何の歌か分からないけど、きれいな声だった。

 彼女の声を聞きながら目を閉じると、簡単に眠ってしまった。


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