第二十二話
「うーんと、一から説明するとね。私も能力者なの」
実は説明二回目。お脳の無い俺はもう一度まとめて言ってもらう事にした。
「ああ、そうじゃなきゃここには居ないだろうからな」
そこまでは分かる。
「うん。それで、まあ私の能力は色々あるんだけど、その中の一つが透明化。だからレナたちは私に気がつかなかった」
「ああ、なるほど。ちなみに俺の名前はレナードだ」
そこまでもさっきので分かった。
「だけどレナ達の中に一人、気づいてた娘がカエデなの」
「うーん…、それがカエデの能力なんだよな?」
「そう。カエデも能力をもってる」
「それが能力を半減する能力、と」
カエデは能力者で、人の能力や魔力とかのファンタジーな力を半減する能力をもっているらしい。
だから、カエデはカノに気づいていた。
そして…
「俺が知っているカエデの心はカエデのものじゃないのか…」
「多分、ね」
この『半減』というのがややこしいらしい。
これは俺らが能力を半減されている事に気づかないような半減の仕方らしい。しかもカエデ自身がコントロールしているわけでもないから、半減している時としていない時もあるとか。
要するに、俺がずっとカエデのものだと思っていた『心の中』は実はカエデのものではない、という可能性があるのだ。
「まあ、実際に綺麗な心をもっているのかもしれないけどね。でも、多分今までみていたものとは別物だよ」
「そう、か」
俺はずっと疑わなかったのだ。
カエデという女の子の目は、とても綺麗で。
心の中もとても綺麗で。俺の知らない輝きがそこにあったのだ。
なのにそれは偽物で。
信じていたのに。ずっと、あの瞳を。
「それで、カエデが湖を歩いていたのはあれ自身が魔力の固まりみたいなもので…。どうでもいっか」
カノがこちらを心配そうにみている。
カエデはそこら辺をふらふらと歩いている。
「俺は、中途半端に能力を持っているんだな。最初から分かっていればたいした事無かったのに」
「それは違うと思うよ。異世界から来た人の能力はたまにとてつもなくすごかったりするから」
「なんでこんな能力あるんだろ。昔からこれのせいで苦労してきたしさ」
「はあ…」
ため息をついてカノが立ち上がった。
歩いていって、カエデの肩を後ろから掴んで。
「この娘のため、でしょ!」
元気づけようとしてくれたのか、無理矢理に笑顔を作っていた。
もう、良いか。
いつまでも落ち込んでてもしょうがないよな。
「そうだな。うん、それもそうだ」
頑張らなくては。とりあえず彼女を元の世界に帰すまで。
それで。
それからのことはその時に考えれば良いんだ。
さて。
実はこの後、二種類の終わり方を考えてあるんですw
どっちにしようかなw




