第十八話
「よーい、スタート」
無茶振り的なルールで始まった戦い。
師匠の足の下にある剣でもう一人のおっちゃんの手にある酒瓶を壊せば勝利、らしい。
「さあ、かかってこい!ふはは!」
言いながら、師匠は相撲取りの様な格好をする。
俺は相撲なんかしないぞ。
おっちゃんの目を見る。
『とっとと終わらせて酒飲みてえ』
…だめだ、関係のない情報だ…
しょうがない、当たるが吉か。
盾がちゃんと腕についているのを確認してから、師匠に向かって走り出した。
師匠は盾を構える。
ガンッ!と、盾と盾がぶつかる音。
駄目だ、近すぎる…
俺が離れると師匠は不思議そうな顔をする。
まあ、当然の反応なんだろうけど…
「どうしたレナード、俺の口臭に耐えられなかったか?」
「いや、口臭とか関係ないけど…」
それにしても、だ。
不利なところも有るじゃないか。
最近は読心術を便利だと思って使っていたが、やはり欠点も有るのだ、忘れてたけど。
思い出したのは、昔、ばあちゃんが言っていた言葉だった。
『読心術を使う時は、いくらか相手との間に距離をとりなさい』
俺がなんで、と尋ねると
『情報量が多すぎて、脳がパンクしてしまうから』
との答えだったのだ。
今までは、近づいても顔と顔で向き合う事は無かったけど、ここまで鍔迫り合い(盾だから鍔迫り合いじゃないだろうけど)をするようになるとやはり危ない。
「ふはは、この試合に負けたら酒を買ってもらうぞ!」
最低だ…
「俺も金がなくてこの試合に出てるんですけど…」
「それがどうした」
「いや、だから…」
なんか会話が成り立たない…
とにかく、あの剣を奪わなくては。
「師匠、失礼」
おもいっきし足をあげて、蹴ったのは…
「う…お、おのれ…うううう、レナァドォオオオ…ううう」
この反応を見れば分かると思うけど、男の大事なところ。
軽くなった師匠をどかして、剣をとる。
「よぉし、とつげぇき!」
言葉の通り、酒を飲んでいるおっちゃんに突撃!!
と思ったら、
「お前なんかに割られてたまるかぁ!」
酔っぱらったおっちゃんが、
「うおおおおお」
酒瓶を、
「りゃ!!」
地面に叩き付けた。
「あ」
俺が呟いたときにはもう酒瓶はきらきらと光るガラスの破片になっていた。
最近更新ができてないぜ!
ごめんね、みなさん。




