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第十五話

「あ…」


 事件が起こるのはいつも突然である。

 そんなことを改めて認識して、俺は悩み始めた。


 カエデの催涙スプレーの中身が無くなったのだ。


「どうしよう…」


 ちなみに明日は準決勝である。

 結構な強者が出てくるはずだ。


「とりあえず、外に探しに行こうか」


 近くで俺のことを観察していたカエデの手を取って、宿から出た。



「吸い込んだら咳き込む、涙が出る、か」


 あまりそんなものは無いと思う。

 匂いからして、いままでスプレーの中には酸性の物が入っていたようだった。


「うーん…どっかに催涙スプレーそのものが売ってたりはしないのかな?」


 とりあえず、色んな店を見て回ったが、そんな物はどこにも無かった。


 ただ…





 そして、二回戦目。

 敵は、二人。剣を持っていた。


「おいおい、こんなちびちゃんたちが敵かい?」


「余裕だな…」


 そして、彼らは跳躍した。

 右と、左から。

 俺とカエデは互いを守るように背を向けあう。

 そして…


「死ねぇ!」


 容赦なく振り下ろされる剣を盾で受ける。

 と、同時に後ろで男の咳き込む声がした。


「な、なんだ?」


 剣の重みを盾で支えながら、質問に律儀に答える。


「唐辛子エキス、です」


 そして、カエデが振り返って、それはもう容赦なく彼の目に向けてスプレーを発射した。


「うぉおおお!」


 かなり痛いらしい。当たり前だ。俺はあんなことされたくない。

 満足したのか、カエデはまたくるりと向き直って、咳き込んでる男の首根っこを持ち…

 またまた、容赦なく眼球に向けてスプレーを発射した。


「うぉおお…ゲホッゲホっ!!」


 叫ぼうとしても咳き込む。

 当たり前だ。俺は死んでもあんなことされたくない。


 そして、判定。俺らの勝ち。



 俺は、観客に目を向けた。

 そして、その中にいるゴツい三人組。

 声は聞こえないが、目を見て考えている事を読み取る。


『相手の切り札さえ分かればこっちのもんよ…』


 本当の切り札は、俺が持ってるんだよ…

 彼らが裏をかくのなら、俺は裏の裏をかこう。

 力が無いから、頭を使おう。

 そして、この読心術を。

よっしゃ、今日から週一更新復活!

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