第十二話
街を出ると、村の奴らがいた。
第二軍、みたいなものらしい。
「おい!あそこにレナードがいるぞ!」
「あの女の子は誰だ?」
そう言いながら近づいて来た。
大丈夫だ、気がついていない。
「おいレナード、彼女とデートか?」
「そんなんじゃないっすよ」
笑いながら答える。
「そこの女の子、レナードのこと宜しく頼むぞ」
「………」
もちろん、カエデは何を言われているか分からずだんまりを決め込んでいる。
「ん?どうしたんだ、しゃべれないのか?」
すかさずフォローしようとしたそのとき、カエデがスプレー缶を上着のポケットから取り出し、ノズルを村の奴らに向けた。
カエデは、俺の手を引いて、なぜか少しずつ横に移動する。
すると、村の奴らも自然にそれに合わせて逆に動いた。
『撃つ?』
目で尋ねてくるカエデ。
「な、なんだそれ?」
驚く村の人々。
大丈夫だ、俺はテレパシーは使えないが知っている。
ジェスチャーは、全国共通であることを。
カエデの持っている物がなんであれ、ここで疑われたらまずい。
そこで俺は否定の意で、親指を下にして右手をカエデに見せた。
すると、カエデは、それをどう汲み取ったのか分からないが、スプレーの噴射ボタン(?)を押した。
押して、その場から一目散に逃げた。
俺は何が何やら分からず、その場に突っ立っていたが、カエデに手を引っ張られて、一緒に逃げることになった。
後ろで、村の奴らが咳き込む音が聞こえた。
しばらく逃げてから、カエデは俺にスプレーを見せた。
そこには『催涙スプレー』と書いてある。
「…まさか、おっちゃーーいや、師匠か?」
そういえば、飯を食ってるときに何か渡していた様な気がする。
そして、気づく。
さっきカエデがスプレーの中身を噴射したときのことを。
カエデは、ゆっくりと横に移動して。
そして、どうなった?
そうだ、風上に回ったんだ。
風を受けてこちらに中身がこないように。
「す、すげー」
感心である。
なぜカエデが催涙スプレーの使い方を熟知しているのかは知らないが、とりあえず感心だった。
親指を下にしたら撃つ意味は未だに理解できないが、これからはそれを合図にすれば良いことに気づいた。
「とりあえず、今日は近場で野宿だな」
歩いて、ちょうど良い場所を見つける。
薪になりそうな枝を拾って来て、前のように組み立てた。
そして、火を付ける。
そしてバッグの中をあさってから俺はこう呟くのであった。
「食い物が、ねえ…」
そして長らく更新していないことに気づく俺。
週一ペースになるっぽいです。




