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14 :ドキドキ・恋のライバル登場変

「ああ、噂の転校生?」

「そう……。百井くんと一緒に定期演劇会見に来てくれるんだけど……」

 教室に戻ってすぐに史歩ちゃんの席に泣きつきに行った。呆れながらも相手してくれる史歩ちゃん優しい。

「転校したてで公民館の場所なんて分かるわけないでしょ。その場で行くと言ったプラス日直という役割でたまたま仲良くなった百井と一緒に行くのは仕方ないでしょ」

「でもでも……笠倉さん可愛いし」

「何言ってんのよ。同じ女よ。さっきちらっと見てきたけど見た目で違うのは身長とスタイル、あと髪の長さくらいじゃない」

 史歩ちゃん、それかなりちがう。身長とスタイル。悪かったね中1並みの身長で貧乳で。ショートヘアは別に悪くないと思うけど。


「……あれ、史歩ちゃんさっきなんて言った?」

「え?見た目で違うのは身長とスタイル、あと髪の長さくらいって」

「髪色は?」

 私は黒髪。笠倉さんは薄紫色。全然違う。

「何言ってんの。転校生も黒髪じゃない」

 ……え?


「あ、転校生の話?見た見たー。綺麗な黒髪だったよねー」

「そうそう。同じ黒髪なのにへこむよー」

 周りの女子も転校生の話題に食いついてくる。みんな笠倉さんは黒髪だって言う。

 見間違いかな、って思うも間違うはずがない。暗めの茶髪ならまだしも、薄紫だぞ。というか冷静に考えて地毛で薄紫の人なんている?

「……史歩ちゃん、ちょっとトイレ行ってくるね」

 行き先は第3棟だ。



 トイレに入ってすぐシャツのボタンを外しペンダントを取り出す。ロケットを開け、息を吸い込んだ。

「ロォーサァー!」

「うっるさいわね!」

 間髪入れずロサが応答する。

「ロサ。今月の試練は何?」

 先月はお腹、オナラ、空耳そしてデマの恋人情報。今月はきっと……。


「あえてタイトルをつけるなら『ドキドキ・恋のライバル登場変』よ」

「やっぱり!」

 あと絶対その『変』は本能寺の変とかの変だ。

「異世界からの刺客である薄紫の彼女を派遣したわ。ちなみに異世界関係者以外からは黒髪にしかみえませーん」

「私が異世界関係者にカテゴライズされてるのすごく嫌なんだけど……」

「まあまあ。せっかく女神であるあたしが、天界にいろーんな書類を提出して百井遊馬のクラスに自然に転校させ、自然に彼と関われるよう操作したのに」

 聞きたくなかったよ。


 ん?操作って……。

「もしかしてロサ、考えたくなかったのだけど……桜木くんとの事故もロサの仕業?」

「失礼ね! それは偶然よ! あんたは普通に別の事故で殺ってから異世界に誘導したかったわよ」

「殺すのは確定事項だったんだ!」

 やだ何も信じられない……。うっうっと泣くと「泣くな!」と叱られた。理不尽な。

「その代わり桜木優矢をあんたの望み通り無実になるよう操作してあげたじゃないの」

「それは感謝してるけども! それとこれは違う!」

 ギャーギャー言い合っていると予鈴が鳴った。やばい、行かないと。

「しょうがないわねえ……。今月はあの子だけにしてあげるわよ。お腹やオナラトラップはしないわよ」

「それはどうも……って、ちょっとロサ!」

 話は終わってない……けど予鈴は鳴ったしもう反応してくれなくなった。通信はここまでだ。


 笠倉さん。あなたには負けない。

 そうトイレで私はひとり宣言した。

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