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うおぉ、がんばれ、私。がんばれ、私!


と、鼓舞しながら書いてます。

こういう話を好きな人がいたら嬉しいです。

◯◯◯


はっ。はっはぁっ。

短い手足を必死でもたつかせながら一心にはしる。


追いつかれたらおわりだ。全身を震わせてそう本能が訴える。


泣いている場合じゃないと、そう思っていても涙はとめどなく溢れてくる。視界がゆがむ。


くるしい。息がくるしい。こわい。だれか、たすけて。


なりふり構わず走っても、こどもの力ではかなわない。


「私の手を煩わせるなよ」


悪魔は必死で逃げるわたしのあとを早歩きで追ってくる。

わたしが逃げられないことがわかっていて、じわりじわりと追い込むように。


意識を悪魔に向けた、ほんの一瞬だった。


「あうっ」


わたしは木の幹に足を引っ掻けてしまい、顔面から盛大に転んだ。

膝が擦りきれ、急いで受け身を取ろうとしたが全身を思い切り地面にぶつけることになった。


ゆらり、ゆらりと悪魔は再びわたしに近づいてくる。

おしりを引き摺るように後ろに下がろうとするが、ひねった足に力が入らず、からだが動かない。


うごけ、うごいて。言うことを聞いて!

わたしはここで死ぬわけには行かないの。


「遊びは終わりだ、お嬢さん」


すらりとした真っ黒な影が、わたしを覆い隠すように延びた。


それはわたしの仲間の油と血がべっとりとした、濁った長剣を振り下ろす。


悪魔の後ろには燃え広がる赤い景色が見える。

真っ黒な空に赤い雪が舞った。


何てうつくしくて無情な世界か。


静かに、祈るように目をつぶる。


……わたしはこれで、終わりなのかな。


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