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ほう…魔力吸収ですか


水の月 1の七日目


魔石から魔力を吸い出しそれによって一時的に増えた魔力によって魔力の速さが変わるという感覚を掴み、そこからは簡単だった。とりあえず身体中が輝く程度には加速させられる様になった。ついでにいつの間にやら魔力調律という変な特技手に入れてしまった。


どうやら生物や無生物にかかわらず魔力を宿すものによって魔力の波長は違い、それを調律して自分のものと合わせたり目的の波長へ調整したりできるという能力を持っていた様だ。や、これも神様とやらの御技、ではなく。子供の頃から魔石を扱っていたためらしい、何かを続けるというのは一見無意味なものでもなかなか役に立つ様だ。


それでだ。循環しているときは気がつかなかったがどうやら右腕の制御はなんとかなったらしい、らしいというのは確実では無いという意味だ。

先ず、順を追って説明すると俺のおこなっている魔力操作はまだ前段階も前段階、これからなのだが肉体を循環する魔力の淀みや異常を排して適切かつ正常に維持するという意味ではすでに完成している。戦ったり、それこそ今までの様に魔力暴走をバカみたいに起こせばまた話は別だが少なくとも日常的に障壁を貼ったり、右手を使って力を出力した程度ではアサシンブレードめいた魔石刃は発生しなくなったというわけだ。

だが、安定した結果右腕の発生させる高周波が解消されある程度意識して魔力を集中してしかも調律しないと出来無くなった。安全装置が多いことに越したことはないがそのせいでそれなりの魔力を消費して放たなければならなくなった。まぁ、ジェシカさん曰く『暴走などで魔力路自体が歪んでいたために起きていた共鳴反応だったのかもしれないし、そもそも今まで魔力路の励起もなしに無茶をしていたツケをようやく解消しただけですので問題ないです。』だ。そうで…ちなみに最初から魔力操作を教えなかったのはそもそも幼児がやるような訓練では無いし、そもそも魔力が多すぎて励起しているのかしてないのか魔力が尽きてぶっ倒れるまで判別できなかったそうだ。…なんだかこれからも魔力関係で色々ありそうな気がしなくは無いがこれがフラグにならないことを祈るばかりだ。


まぁ、それはそれである。今日は久方ぶりに訓練では無く。未熟ながら身につけた魔力操作と魔力調律、そして魔石からの魔力の吸い出しなどから編み出した新技…魔力吸収の実験である。


魔力吸収とはよくあるRPGや冒険譚や英雄譚にある不死者、そのうち実体を持たないものや実体を持ちはするがそもそも寿命や生命そのものを搾取する様な怪物の特性に近い『生気吸収』や『ドレインタッチ』的なアレである。

もちろん、俺は死んでいないし、そもそも今回のは生命力では無くあくまで魔力を強引に奪い取る程度の物だ。魔力操作の関係上強引にと言っても格上の存在からは奪えないが、同格程度か魔法使い出ない人やそこまで知性の高く無い獣などからならば魔力の循環に違和感があるかな?程度に吸えるだけの代物だ。

それに魔力操作そのものが高度になるため基本的に緊急時の魔石からの吸収や以前やった様に大気からの吸収濾過を早める程度が関の山である。

だが…ひとりのTRPGプレイヤーとして、最強のキャラクターという物に憧れない奴はそうそういないだろう。現状俺というビルドを見ると攻撃力、速力が一級品(一瞬)そのほかの戦闘は常時発動型の能力向上のみで戦っておりその全てを魔力という単一かつ消費されるタイプのリソースを源としている。

つまり俺の弱点は魔力だ。何かの拍子に魔力を必要以上に失えばほぼ最高レベルの魔力回復力もその全てを常時発動型の能力向上に使用しているために切り札である魔石刃や肉体強化(壊)とセットの諸々を発動させる余裕がなくなる。つまり緊急時の魔力入手法が現状埋められそうな俺の弱点を埋める鍵となる。


というわけで実験だ。

条件(やりたい事)をいくつか決めて手順や手法を幾つか試しながらやっていく。

条件1、大気中の魔力を吸収する。

手法1知覚した魔力を調律しながら吸収する。

手法2知覚せずに魔力を少し放出しそれを媒介に大気中の魔力の波長を俺のものに合わせて吸収する。

結果

1では通常よりも心持ち早い程度しか回復しなかった。また、2では自分の体内に魔力を押しとどめる力よりも大気に惹かれる力の方が強くなり意識ごと自然に還える所だった。魔力が急激に無くなるだけで回復のかの字も無いので2の方は今の所考えずに1の方向性で進めていく。


条件2、大気中の魔力をより多く。より短時間で吸収する。

手法1魔力の知覚をより明確にする。

手法2より慎重に調律してみる。

手法3右手の魔石を通してみる。

結果

1と2は正直悪くは無い、集中しなければならないとはいえ明らかに魔力回復速度が速くなっており、魔石刃を展開した後の魔力量から全快への復帰速度を簡単に調べても通常速度と比べて2倍ほど違う。

3ではうっかり魔石刃が展開した。が消費される魔力がいつもより少なくなった。…これはこれで根本的な解決になったので有益な物だった。




「ふむ…」

「どうしました?」

俺が実験結果を纏めながら考え込んでいるとジェシカさんが近づいて来た。俺は現状判明した肉体に埋め込まれた魔石の効能などについて別口でまとめた資料を作成していたのだが…そこに微かな違和感を覚え、そこを考えていたのだが、そこで彼女が現れたのだった。

考えを纏めるには時に他者の意見を聞くのも重要だ。それにもともと学生だった彼女に聞けばちょっとは判るだろう。

「実は…魔石の力、正確には体内に取り込まれた魔石の効能をまとめてたんだけど…」

・強力な魔力生産力

・本体とは違う魔力波動

・魔力路の可視化

・新たな魔力路の生成

etc…

「正直、なんで今までほかの人が取り込めなかったのかとか、色々と考える事はあるんだけど…一番問題なのはどうしてこんな単純に魔法使いとして強化される事が一般化してないんだろう?」

「…なるほど、たしかに普通に魔石の効果、良い点のみを見ればそうなりますね」

そう言ってジェシカさんは少し考え…

「ですが、魔石とは人間以外の魔獣や魔人いわゆる闇や虚無を信奉する邪な者たちに連なる物です。いついかなる反動が来てもおかしくないとおもいません?」

「よし、外そう?」

「無理ですね、少なくともこの家を出るまでは無理です。」

「そ、そんなぁ…」

そう、そういえばそうなのだ。よくよく考えてみれば魔石とはそもそも人種の体内に入り込む様な物ではなく。入ったとしてもここまでの効果は見せない、少なくとも今まで見て来た資料にはそうあった。

…だが、本当にそうなのだろうか?マッドサイエンティスト的な魔法使いどもが跋扈するこの世の中、これくらいの人体実験あってもいいと思うんだけどなぁ?

……いや、もしかしたら、意図的に隠されているのか?

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