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勝手に改造…え?


風の月 4の二十日目

非常に面倒な事になった。

何が面倒かって?俺の右手である。魔力炉と魔力路が俺本体とは別に存在し、魔力を込めて力むとうっかり魔石刃を発生させ魔力を4分の1ほど吹っ飛ばすトンデモアームである。

まぁ、問題があったので仕方ない、と一ヶ月近く実験と検証を繰り返さざる得なかった。

地獄であった。

なにせ毎回毎回魔力を一気に、大量に失うのだ。気分は悪くなるし、そもそも展開自体にそれなりに気をつかはないとまた気絶するし、魔獣の魔力障壁も問答無用で切り裂く刃が飛び出るもんだから誰も支えに近づけず頭にたんこぶが増えること増える事…


まぁ!得るものがあったし?コレからは訓練次第で使いこなせるはずなので(予定)問題ないだろう?

・右手に魔力を待機させた状態、現在でいうと魔力障壁を張っている状態の時、障壁が二重どころか積層鎧のように展開されており、かなり不安定、うっかり動かすと魔石刃が展開されてしまう。

このことからこの積層鎧のような状態は魔石に魔力が充填され魔石刃が出る寸前に発生する魔力と変形した魔石本体によって出来ているのだと推察されるが、現状ではかなり意識をしなければこの状態を維持できないため、更に検証が必要である。

・魔力障壁全体に異常はないが、右手の周辺のみ魔力の流れ…的ななにかがおかしい気がした。ジェシカさんが解析してくれたが、魔力路が二重になっていること以外異常は見られないため、二重になっている事によってなにが起きているか、更に調べる必要がある。

・調べた結果、かなり慎重に右手に魔力を宿した状態で物体に押し当てると当てた物体がゴリゴリと削れ、最終的に粉砕された。恐らく魔力路が二重になっている事で魔力の持つ波長、人や魔獣一人一人によって異なる魔力の波を持っており、魔石を起点とする魔力と俺の魔力炉を起点とする魔力同士で波長の干渉が起こり、高周波化、魔力、つまりエネルギーの震えによって右手の周辺の空間が震える事で物体の構造に干渉し、破壊する。つまり、前述の積層鎧のような構造も複数の層があるのではなく。凄まじい高周波の生み出す空間の歪みによる防御だったという事だ。

一見すると燃費もいいし攻防一体で申し分ないが非常に神経を使う。だが実用できれば俺の戦闘力は飛躍的に上がるだろう。要訓練!

・魔石刃の燃費の改善は見られないが、内部の魔石は砕けず。一時的に魔力精製機能、魔力炉としての機能を停止する。

・伸びる。正確に言えば秒間の魔力消費に応じて長さ、形、向きなどを調節することができる。

・魔力路が二重になっている場所、つまり前腕あたりまでなら魔力刃の発生場所を自在ん変えることができたが、コレもまた非常に繊細な魔力操作を求められた。


結論から言えば一応強化されてはいるのだが、非常に面倒、というかピーキーな体になってしまった。

とりあえず早急に魔力操作技術を今までのように放出と収納だけでなく。循環と圧縮、収束の五つの要素を完璧に修め無ければいけない、今のままの不安定な状態ではいつうっかり魔力刃を展開して自分を真っ二つにしてしまうか気が気ではない、嫌だぞうっかり自刃して死ぬとか…冗談ではない、マジで!




「と言うわけで、私、ジェシカ・ランドウォーカーが僭越ながら魔力操作について教授いたします。」

「よろしくお願いします!」

「…ふむ」

まぁ、そんなこんなで魔法学園卒のエリート魔法使いであるジェシカさんに魔力の操作を押してもらう事になった。とりあえず俺が今できるのは魔力の放出、収納、一応かなりゆっくりとだが簡単な収束だけだ。

「魔力操作は全ての基本となる技術であり、魔法使いの生命線です。一昔前ならばこの魔力操作という技術そのものが魔法貴族のみが使えた秘術だったこともあります。」

「へぇ…」

なるほど、たしかに魔闘術は今も近接戦闘、特に格闘戦士の憧れであり単純な魔力操作技術にして秘術だ。魔法使いにおいては魔力消費や魔法の威力に直結する問題だ。そりゃあ秘術にもあるだろう。

「なぜコレらの技術が解放されたのか…については今日はお話ししません、長いですしね?それにグラジオラス様にはなるべく早く習得していただかないと私も、デイダラさんやピーターさんもゆっくりと生活できませんからね」

「も、申し訳ない…」

たしかにそうだ。いつ爆発するかわからない爆弾と一緒にいるようなものだ。気が気ではないのは俺だけではないのだ。

「それではまず、魔力操作とは何か、グラジオラス様はお分かりですか?」

「いや、分からないな」

「まぁ、そうでしょうね、通常ならば5歳、初めて魔法使いとしての訓練を始めるのが一般的ですし…グラジオラス様が読んでいる教本は魔法が使えるのが前提としていますからね…わかりました。では説明させていただきます。」


「魔力操作とは魔力路を励起させ通常無意識に体全体を循環している魔力を意識的に動かし、流れを遮断、集中、放出する技能です。物理的に見える現象としては主に発光があり、高速での循環や一手への集中をしている時淡く輝くような事がありますが、それが魔力操作です。」

「ふむ…ピーター氏の魔闘術で手脚が淡く輝くのはそう言う…」

「ええ、実際に発光しているのは一定以上の量に達した魔力ですが、コレは魔力操作ができていなければ基本可視光になるまで発光しません、例外はグラジオラス様のような常軌を逸した魔力を持つ人物が無造作に放出を行う時や魔石刃のように無理やり魔力を一点に流し込み操作する事なく収束する事などがあります。」

…さりげなく俺の操作は操作ではなく力技だと言われたが、まあその通りだ。なにせ俺は今魔力路の励起などと言う言葉を聞いたのだ。今までそんなことを考えてもいなかった。

「魔力路を励起…ね」

「では、実際にやってみましょう。やり方は簡単です。一応確認しますが魔力の認識はできますね?」

「はい!」

「わかりました。でしたら魔力路が認識できるはずですので…そうですね、初めてですので言葉をキッカケにしてみましょう。」

「わかった。」



「ムムム…あ、コレか」

なんというか、やはりというか前からおかしいとは思っていましたがやはり魔力路を励起させる事をしていなかったのですね…それであそこまできるというのは、やはり魔力量の賜物なのでしょうね…私も魔力量は魔法使いの中では平均的ですが、ここまで突き抜けて多いと様々なイレギュラーが発生しますね…

「セット!」

彼がそう叫ぶと全身を走る魔力の道筋が一気に浮き上がり、光を放ち始めます。

本当に初めてだったのですね…魔力路は一度励起させて仕舞えばあとは無意識的に体内の魔力の流れを捉えられるようになるのですが、初めてかどうかは一目でわかります。なにせ始めて魔力路を励起させた時は魔力によって魔力路が輝きますから

「おめでとうございます。コレで魔力操作のための前準備が一つ終わりました。」

「…え?」

あら、そういえば言っていませんでした。

「はい、魔力路が励起したあとはその励起した状態を維持できなければなりません、なので今日1日はこのまま過ごして下さい、気をつけていただきたいのは始めて魔力路を励起した際全身の魔力を止める力が少し弱まりますので全力で魔力を押しとどめないと…そうですね、運がよければ気絶ですみます。」

「…そういうのは先に言って!」

「申し訳ございません」

ですが、コレは通過儀礼、どんな魔法使いもこの道を通るのです。私も師匠には…

「え、あれ?ジェシカさん?大丈夫?」

「…死ねばいいのに…」

「ひぃ!オコ!?オコなの!?なんで怒っているんですか!?」

「え!ああ、申し訳ございません、少し昔を思い出してしまいまして…」

いけませんね、あのクソ爺いのことが頭をよぎると言葉遣いが戻ってしまいます…

「大丈夫ですよ、大丈夫です。お教えするからには…完璧に教授いたします!」

「その張り切りが怖い…」

いえいえ、心配は無用です…ちょっとやそっとじゃ死なない貴方様ならば…だいじうぶでしょう!

唐突な次回予告! 悲報、結局ジェシカさんキャラ崩壊

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