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無属性という魔力の考察 上


突然だが、王政貴族制の腐敗速度というのは王様の手腕と今までの代の失策に比例しているとおもう。王が素晴らしい手腕でも今までがひどければ王家の求心力は低迷し、少なくとも凡人、平凡な王ではその状態からスタートした瞬間に政権の崩壊は必然だ。



無属性という魔力は非常に低い地位、いやもはや地位というよりも呪いだろう。この星がどれほどの広さであろうと、どれほどの人口があったとしても、その中で無属性の魔力が生まれる確率は普通に考えてほかの属性とそう変わらない、魔力が両親から遺伝するとしても魔力が無属性でない確率は高いとも低いとも言えない、そんな中で無属性の魔力を持って産まれた者はその後の人生を常人よりも過酷な状態で生き抜かねばならない…

「と、いうわけでもないんだよなぁ…」

「ええ、少なくとも市井に出ればほかの属性の方と同程度にいますし、国外なら無属性の王族が居るくらいです。」

そう、残念ながらこの魔法国家エレメントは無属性の魔力を迫害する少数国家だったのだ。この大陸に10個くらいの国があってその内の三つがそうなのだが…はぁ、本当に運がない、3割というと大きく見えるが、実際に迫害…というかそういう風潮の煽りを受けるのはその国の貴族、つまり人口の上位数パーセントである。そこをピンポイントで引くとかいう呪いめいたマイナス引きマジやめてくれ吐き気がする。


そういう訳で今日は、魔法の勉強やら魔石の研究ではなく一般常識の授業だ。…正確に言えば奇しくも俺と運命共同体になってしまったジェシカさんが、互いの生存率を上げる為に、そして何よりその善性から俺に知識を授けてくれているのだ。

研究用に我が母上様がお作り遊ばせたこのログハウスは二階建て地下付き、居住スペースは倉庫に毛が生えた程度だが、本分であるところの研究施設としては個人に用意できるレベルでは上位のものが揃っているらしいその一つが一階部分の壁を埋め尽くす紙と本の山であった。

ジェシカさんに聞くと本は総じて安くはないが高くもないといった感じらしい、印刷技術そのものはある為教科書や小説、時代遅れの研究書などは材料費と多少の印税で済む。だが一部の高価なものは先ず写本家や魔法的な写本とかいう一子相伝の技によって作成され目が飛び出る様な、で済めば良い様な桁の金で取引されるらしい、因みにこの魔道写本に最も向いた魔力が無属性であるという噂もある。

それでだ、今回は無属性のできること出来ないことおよびその周辺環境についての授業だ。


姿勢を正し、いつも通りの凛々しい表情で彼女は口を開く。

「先ず、前提として無属性の自体はありふれた。少なくとも魔法使いでは無い人に多いと言える程度には沢山いるほかの色持ちと同じ様な存在です。違うのはその多くが魔力量に恵まれない一般家庭や農民であり、魔力量や属性などを血統を使い増加、純化してきた貴族、特に魔法使いの家系にはあまり産まれにくとされています。」

そこで区切って彼女は少し俯き加減になった。まぁ、それはそうだ。知識としてはそうされているが、その実態は産まれ次第処分されていたのだから…彼女の家ではそういうことはなかった。とは言えないが、少なくとも彼女の知らぬ魔法使いの闇、恐らく情報の隠蔽のため当主や一部の人間しか知らなかったのだろう。その為に彼女は俺の処分をし損ねてしまった訳だ。

口を一旦引き結び、一冊の本を開く。題名は『無属性の魔力』

「無属性は多くの場合他の属性より劣っていると言われがちですが、その魔力の及ぼす現実への影響力、魔力効率は他の属性とは一線を画すレベルであり、得意なジャンルは強化、主に自らに働く力を生み出す力の大小を操る力に長けています。」

この本は俺が偶然見つけたもので世にも珍しい『無属性魔法使い』を名乗る研究一派の過去の遺物、ちなみに本拠地は魔法院なる教育研究機関の在る都市国家、ミスカド共和国この国から歩いて三ヶ月、馬車で一ヶ月くらいの小国家の集まりの様な国だ。

そして、彼らが発見した術式が『強化魔法』現在無属性がたった一つ使える術式魔法だ。

「強化魔法の多くは古代遺跡の文様や魔力を付加された武具から発見され現在ではわかりませんが今わかる範囲では『硬化、軟化、鋭化、鈍化』そして衝撃強化、弱化があります。ただ、その多くが他の属性や術式がなくとも発動可能なため色なしに魔法なしなどと言う魔法使いも多いです。…あ、申し訳ございません!」

「いや、気にして無いさ」

彼女はそこまで言って、凛々しかった表情が一瞬曇りオレを気遣ったのか謝ってきたが彼女に頼んだのは事実の列挙、そこにこの国ならではの考え方があってもそれはそれでこの国の常識という点では事実なのだからね!

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