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全てが謎

知颯「起きて…起きてください海登さん」


海登「………ん、あ、?」


なんか久々にぐっすり寝れたような気がする。目を開けると太陽が眩しい。


海登「なんで急に俺は寝て……ここはどこだ?公園だったはずだ…」


周りは機械ばかりだった。床も機械、木も機械、なんなんだどうなっているんだ。言うなれば機械の街。多少目がチカチカしてしまう。


知颯「海登さんはまだまだ知らない事が多いのです。世界はいくつもあるのをご存知ですか?」


知颯さんは笑いながらそう話した。


世界がいくつも存在する。確かに映画やアニメでは見た事はある。パラレルワールド、異世界。しかし実際そんなものは存在しないと思っていたし、パラレルワールドと言っても元の世界と微妙に違うだけとかそんな感じだったはず。ネットで見た話だけど。今いるここは全然違う。正直、頭が…おかしくなりそうだ…


海登「何がどうなってやがるんだ。というか知颯さんは一体何者なんだ?」


知颯「私は時の渡り人。どんな世界も自由に行き来する事が出来ます。今まで私は様々な世界を行き来してきました。いきなりこんな事言われても戸惑うと思いますが…」


俺は少しフリーズしてしまった。


海登「理解が追い付かない…。元の世界には帰れるよね?」


混乱しながら俺は尋ねた。というか何から聞いていいのかすらわからなかった。


知颯「それは…海登さん次第です」


海登「どういう事だ?」


俺はさっぱり意味がわからなかった。元の世界に帰るには俺次第?なら何故こんな所に俺を連れてきた。そもそも時の渡り人とはなんなんだ。俺は騙されているのか?


心の中で色んな感情が一気に流れ込んで来た感じだった。色んな感情が渦巻いて渦巻いて、でも、それでも俺は知颯さんのことを信じていたように思う。だから知颯さんの話に耳を傾けた。多分知颯さん以外だったら訳がわからなくてブチギレていたかもしれない。


知颯「海登さん。貴方が本当に元の世界に帰りたいと心に強く願っているのならそれはきっと叶うでしょう。しかし海登さん。貴方は今それほど帰りたいとは思っていないはずですよ…」


なんというか俺の心が見透かされたような気がした。元の世界に今すぐ帰ってあるもの、それはまた空虚な生活。また毎日金に追われて、税金に追われる生活。何も変わらない………何も…………。俺には何も無かった。


知颯「私は…海登さんを救いたいのです。心の底から貴方を……だって貴方は私の……」


そう目の前で話す知颯さんは何故か泣いていた。その泣き顔を見て、天使が泣く時はこんな泣き顔なのかなと、どうでもいい事を思ってしまった。何故彼女はこんなに俺を構うんだ。彼女は何が言いたいのか。俺を救うとは一体……。


海登「俺を救うとはどういう事?何故知颯さんは俺なんかを…。俺と知颯さんはほとんど会った事が無いのに何故…」


知颯「まだ理由を説明出来ません…ごめんなさい。でも私の事信じて欲しいのです。私は貴方を救いに来たのです。そして私の救世主………お願い私を信じて」


知颯さんの目は力強く真っ直ぐに俺を見ていた。一片の曇りもそこには無かった。なんて綺麗な瞳なのだろう。俺の人生でとてもたくさん色々な人と会ってきたけどここまで澄んだ瞳をした人を俺は知らない。




俺は彼女のその目を見て……全てを受け入れることにした。


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