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ループ

あれから数日が経った。


新しいアパートで俺はボーっとしていた。今までは仕事に絶対行かなければならない生活で、仕事に行かないとお金が無く借金の返済通知や催促電話、税金の催促などなどたくさん来てしまう。そんなギリギリの生活が一瞬で終わった。


毎日不安な日々が今は安定して安心した生活。まさにハッピーエンド。


だがお金があっても俺は孤独だった。出会い系とか利用して女の子と会った。金があるから女の子に奢りまくった。ゲームに課金しまくった。ギャンブルしまくった。気がつけば貯金120万。


わずか1年の出来事である。早すぎる。俺は自分の頭の悪さに絶望した。元々浪費癖があったから借金とかしていたのだが、まさかここまでとは……。家賃も高いので貯金が無くなる前にアパートを出た。


結局繰り返す。金が増えても減らして増えても減らして増えても減らして。何度も何度も繰り返す。


俺はこの世界に必要とされてない……


誰からも…




気付けば公園で寝ていた。もう夕方だ。


知颯「おはようかな?おそよう?」


海登「何故君がここに…」


知颯「アパートに行ったらもう空き家だったので携帯のGPS追って来ましたー♪」


海登「それは下手すりゃストーカー…まあ俺にとっては知颯さんは救世主か」


知颯「救世主って面白いですね笑。海登さんはまた失敗したんですかー」


海登「結局何も見つけられなかったよ。自分と向き合う事出来なかった。俺は本当ダメ人間だなぁ」


知颯「そんな事無いと思います。私知ってますから…海登さんは優しい心の持ち主だって…」


そんな事を言う知颯さんは少し悲しげな顔をしていた。


俺は彼女の事をあまり知らない。知ろうとすらしてなかった。でも彼女はちゃんと俺の事を理解しようとしていたのか。それでも彼女とは数回しか会ってないような……。


海登「知颯さんは彼氏とか作らないの?」


知颯「…え、、何故ですか…?」


知颯さんは相当驚いていた。


海登「いや可愛いし金持ちだし彼氏作りたい放題じゃない?てかもう彼氏いるか」


知颯「いないです!金目当ての人なんていらないですし。私には特別な存在の人がいますしね!!」


海登「あ、そうなんだ」


内心、ちょっとガッカリしてしまった。やはり知颯さん可愛いし明るいからこんな人と過ごせたら楽しいかもと思ってしまう自分がいた。


知颯「海登さんは作らないんですか??お金は十分あったから作れたと思うんですがー」


海登「世の中金目当ての人って多いんだなって実感したかな笑。いろんな所連れて行ったりしたけど、本当の愛とかはそこには無かったと思う。何も感じなかったなぁ」


知颯「そうなんですね」


夕陽も落ちて暗くなってしまった。


知颯「じゃあ行きましょうか」


海登「え?どこに?俺はもう住んでる所無いし、ネカフェぐらいしか行くとこ無いぞ」


知颯「この世界が嫌なら違う世界に行けばいいのです♪」


そこで俺は唐突に眠気に襲われた。さっき起きたばかりなのに……

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