表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ1

 朝の眩しい日差しのおかげで、アラームが鳴る10分前に目が覚めるのが最近の日常だ。


「もう歳かな?」


 なんて19歳の俺が言ってたら確実に怒られるだろう。

 ようやく7時のアラームが鳴り、眠い目を擦りながら起き上がる。顔を洗って、歯を磨いて、母さんが作った朝ごはんを食べ、毎朝恒例の親父の仏壇に手を合わせる。

 親父は俺が生まれてすぐに病気で死んだらしい。まったく記憶にない俺は、母さんから親父の話を聞いて育ったんだけど、毎回その顔は悲しそうだった。

 だからこそ、女で一つで育てくれた母さんを俺は大切にしてこうと思う。


「これが世に言う『マザコン』だな」


 ボソッと呟きながら席に座って朝ごはんを食べる。

 時計を見るともう7時30分だ。今日は大学の授業が1限からあるため、もう出なきゃいけない。

 慌てて残りのおかずを食べ、急いで支度をする。玄関で靴を肩に背負い、履いてくのはローラーブレード。これは小学生の頃に母さんから受け取った物で、親父が俺へ小学生になったら渡して欲しいと言われたそうだ。そうそう、言い忘れていたが、親父は技術開発者で少し名が通っていたらしい。

 そんなローラーブレードだが、タイヤが縦に3つ付いていて、1番後輪に重心をかけると、ギアが稼働して自動で走るという優れもの。

 小学生の頃は大切すぎて、友達に貸すのが嫌だったため、隠れて乗っていた。

 さて今日も一日が始まる。


「母さん行ってきます」





これが最後の行ってきますになるなんて……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ