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勇者、魔王と対談する

俺達は早くも魔王と対談する事となっていた

「厳密には私の娘では無く、私の半身、それがイヴお前の存分だ」

急に現れた魔王の存在だったが俺達はただ黙って魔王の話を聞いていたのであった

「この世界に塔が存在した日、魔界にもある異変が生じた、それは私を含む魔界の生物達の体が突然輝き出しその光は半分体から離れた、すると半分の光はこの人間の世界に向かって行き着くとイヴみたいに生を成した、魔物の姿では無いが魔物の力をもった人間に近い姿で」

「それがハーフ」

イヴは自分の事について熱心に聞いていた

「そうだ、この世界で言うハーフと呼ばれる者達は我々魔の物の片割れ、いわば子の様な物だな」

「それで、ハーフであるイヴは強いんだな」

「イヴは魔界最強である魔王の力を得ているから特別強いと言うわけだ」

それであの以上なまでの強さに納得した


「魔王といやぁやっぱりこの世界を乗っ取るつもりなのか?」

おい、楓、余計な質問するな

「それは無いな、人間達の世界を乗っ取ってどうする?私達魔物は今の魔界生活に満足しているからな」

「じゃあ、何故塔をこの世界に作ってモンスター達を産み出したのですか?」

俺は魔王という言葉の厚みから無意識に敬語を使っていた

「何故も何も塔を産み出したのは魔界とは一切関係は無い!しかし光の事で気になって人間界はよく見てたから塔の事は知っているというわけだが私達は何も知らない」

そんな、じゃあどうしていきなり塔が出来たんだ?

魔王の言葉を信じるなら魔界とは関係無いみたいだが…

「私から言わせてみればあの本こそがあやしいがな…」

え?魔王がぼそっと言った言葉が俺は気になった

「時にひかると呼ばれる人間よ、お前はイヴをどう思っている?」

「俺はイヴを大切な仲間だと思っています」

「なるほどな、イヴよ、お前はひかるをどう思っている?」

魔王は何が聞きたいんだ?

「イヴはひかるが好きです」

イヴはいつも通り答えた

「なるほど、ひかるよ、イヴを泣かせる事があったら人間界を一瞬で滅ぼすからな」

魔王、やっぱこわ…

「言いたい事は終わった、ではイヴよまた話そう」

「はい、お父さん」

そう言って魔王の声は聞こえ無くなった

イヴを泣かせたらってどういう意味なんだ?

鈍感な俺には魔王の言っている意味は分からなかったがとりあえずイヴの扱いには気をつけようと心の中で誓った

「いやー、魔王流石にすごく強そうだな、一度戦いたいぜ」

お前はそればっかりだな

「魔界にはどんな強力な魔法があるのかしら?考えただけでぞくぞくしますわ」

いや、本当にこいつらの考えについていけないよ

いろいろあり過ぎて食べた肉には味気なかった


俺は焼き肉屋を後にして家に帰った

もちろん楓もイヴも一緒だった

疲れからか俺はその日すぐに眠ってしまった


次の日、テレビのニュースは新しいページが出た真実の書についてもちきりだった

あの時魔王が言っていた怪しい本って真実の書の事なのか?

まさかな…

「皆さん!ご覧ください!また真実の書に1ページ追加されました!」

その内容はこうだった


汝ら塔を制覇し者よ

我、宝に大いなる力を込めた

宝を欲するものよ、塔を制覇せよ

さすれば汝らに唯一無二の宝を与えん事を我は誓う


いやー、相変わらず訳のわからん本だ

意味の理解に苦しむな

「この事を緊急招集で集まった世界会議の見解では塔を制覇したらすごい宝がもらえると推測し、塔を制覇した世界中の勇者職の人から宝の情報を集めているそうです、今後も分かり次第随時お伝えします」

なるほど、だから俺はあの塔で宝、つまり力を得たのか

でもただ相手のゲージを見えるだけなんて使えない力だな

かろうじて弱点は分かるけどそれじゃ大いなる力って言うほどのものではないんじゃないか?

とりあえず俺達はいつも通りの朝を迎えて会社に向かった

そこではやっぱり俺達より早くマリアが待っていた

「遅いですわ皆さん、早く集合する事を心がけて下さい!」

また、俺達はマリアに怒られたのであった

「それより、あなた達テレビは観て?」

「一応観たよ、真実の書の話でもちきりだったな」

「そうですわ、わたくし達は塔を制覇した、だったら大いなる宝を得たはずですわ、ひかる、もしかしてその力を得たのですか?」

いやーそんな大層な力じゃないんだけどな

「その話、中で私にも聞かせてくれないか?」

俺達は話をしていると後ろから声をかけられた

そして振り替えると思いもよらない人がいたのであった


俺達は会社に入り会社の応接室で話す事となった

その人とはこの国の総理であった

まさか、一般人の俺がこんな有名人と話す日が来るなんて思わなかった

「結論から言うと現在この国であの塔を制覇したのは君達のパーティーを加えてたったの二組なんだ、そこの君、それであってるよな?」

総理は俺達に同行していた会社の受付のお姉さんに聞いた

「左様です、総理」

ふ、二組?少なすぎる

「そう、君たち777パーティーともう一組13パーティーの二組でこの国の保有している約1000もあるパーティーでわずか二組しかいない、これでは他国に劣ってしまうことになるだから君たちに大いなる宝を取ってきて欲しいだ、大金なら出すから」

総理はそう言って来た

「総理お金なら入りませんわ、わたくし達は力を求めてますから自分たちにその力を得たいのです」

マリアが言った、おい、お前は金持ちだが俺は一般人だぞ!勝手に断るな!

「えっと、もし、もしですよ、いかほどで買い取ってくださるんですか?」

「宝は最早どの国でも国宝以上の価値があるものとなる、お金は惜しまないつもりだが一億出そう」

い、一億!?そんな金額俺のちっぽけな人生で見たこと無いぞ

「イヴはひかるを守る力が欲しい、だから宝を手に入れる」

いやいやイヴさんそれは嬉しいんですが、もう充分と言っていいほどあなたは強いですよ?

「そうだ!俺達は圧倒的な力を得て塔という刺激を求めてるんだよ!国には売らねぇぜ」

いつ俺の意見言ったのかな?もうすでに売らないのはこのパーティーで決定してたのですか?

「そこの少年、君もそうなのかね?」

違います、お金欲しいです

けど、女の子達が金より力を求めてるのにただでさえ弱い俺が売るなんて言えないよな

売りたかったけど、むしろこのあんまり意味の無い力を得た壺なんて一億に変えたかったんだが

「お、俺もお金なんて入りません、力が欲しいです」

きっと俺の目は泳いでいたんだろう

震えた声で俺は見栄を張ったのであった


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