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勇者、初めてボスと戦う

まさか、これは俺にもチートみたいに強い力が備わったのか?

しかし、力が溢れるような感じは無かった、魔法も出ず、力が強くなった感じでも無かった

でも目を凝らすと俺の見える世界は変わっていた

なんとみんなの色々なゲージが見れる様になっていた

ってこれがゲームの世界だったら当たり前の様に見えるやつじゃん、いらなくね?

もっと主人公みたいにバッタバッタ敵を倒せる能力じゃないのかよ…


まぁ仕方ないか、これも何か役に立つかもしれないしな

とりあえず目を凝らして見てみるとボスの多分体力ゲージみたいなのが見えた

こいつ思ったより体力少ないな、それに他のゲージの数値もかなり低かった

さらに何か弱点を教えてくれているのかスライムの中心の玉みたいなのにカーソルみたいなのが合わされて表示されていた

あれが弱点か、なんとも分かりやすいな

とりあえずあれに攻撃を当てたらいいはずだがどうしたらいいのやら

あ、そういえば楓から貰った銃があったな

俺は腰のショルダーから銃を出した

そのとたんに今まで捕まっている仲間達ばかり相手にしていたスライムが相手にしてなかった俺の方へ凄い速さで触手を伸ばしてきた

「うわっ!?あぶね!」

一般の人なら一発ノックアウト級のスライムからの一撃を間一髪かわした

「そうだ!ひかる、やっちまえ!」

楓がそう言った

「うぉーーー!」

俺は声を上げながら人生で初めての本物の銃を撃った

カチャ、弾が出なかった

あれ?

つかさずスライムからの連撃が飛んできた

「楓!これ撃てないですけど?」

「ひかる、セーフティーがかかってるぞ!それを外さなきゃ銃は撃てない!」

とりあえず必死に逃げながらセーフティーを探した

うーん、分からん

「セーフティーってどれ?」

「おいおい、セーフティーも分からねぇのかよ、とんだ新人だな」

いやいや、新人もくそも俺は一般人だから普通銃の使い方なんて分からんよ

「セーフティーはそれ、そこだよ!」

「いや、そこじゃ分からんよ」

「あーもー、ちゃんと使い方教えとくべきだったぜ」

俺もちゃんと教わっとくべきだった

もう、わからん!とりあえずあのスライムの玉に攻撃が当たればいいんだろ?

「もうやけくそだ!くらえー!」

俺はスライムの玉めがけて銃を投げた

痛っ!野球部では無かった俺が急に本気で投げるとそれはもう腕が痛かった

だが、運良く銃はスライムの玉にぎりぎり届いて当たった

玉にひびが入る

よし!これでこの冒険も終わる!


はずだったのに…

スライムのゲージはまだ残っていた

そして、攻撃されて怒ったらしく攻撃が速くなった

ヤバい!

「ぐはっ、」

腹に一撃をくらって俺は血を吐きながら宙を舞った


「よくも、イヴの大切な人を!」


その光景を目の当たりにして捕らえられているイヴの青い瞳、青い髪が燃え上がる炎の様な赤色に変わった

すると、全身から赤色のオーラの層を纏いイヴを縛っていたスライムの触手を一瞬で蒸発させた

そのまま瞬時にスライムの玉の手前まで来て

「魔剣…」

と呟くと何処からともなくまた剣が現れた

「消えろ…」

そして迷いなくスライムの玉を真っ二つに断ち切った

玉が破壊されたスライムは蒸発して消えていった

「やっと終わったのか」

ほっとすると意識が薄れていった

心配そうな表情をしたイヴが俺に必死に駆け寄っているのが見えた

そのイヴのゲージの数値が以上に高かったのも…


気がつくと俺は会社の医務室のベッドで寝ていた

寝ている俺の手をイヴが握っていてその手はあんな激戦をするような手に思えないぐらい柔らかな手をしていた

「ひかる、大丈夫?」

そう言って俺の顔を覗きこんでいるイヴの髪と目はいつもの青色に戻っていた

ち、近い…イヴの吐息が鼻をかすめた

「あ、ありがとうイヴ、大丈夫だよ」

少しまだ腹は痛んだがとりあえず生きて帰れて良かったとほっとした

しかしイヴの異常なまでの強さ、あれがハーフの実力なのか?

ガチャ、後の二人が俺の病室に入って来た

「大丈夫かしら?」

そう言って入って来たマリアにあの後のどうなったか聞いた

塔をクリアした俺達はいつの間にか塔の外に出ていたらしい、そしてかなりのダメージを受けていた俺をマリアが回復の魔法で出来る限り回復してからフライをかけて会社の医務室に運んでくれたみたいだった

「ありがとう、マリア」

「ふん、わたくしを誰だと思っているのかしら?わたくしはすごく心が優しくて有名なのですわ」

そう言ったマリアは少し照れていた気がした

それにしても命がけの仕事だけあって会社の医務室は凄い設備であった

周りを珍しそうに眺めていると

ガチャとまた誰かが入ってきた

受付のお姉さんだった

「777パーティーの皆様、今回の塔制覇おめでとうございます、皆様のおかげで第三の塔は消え周囲のモンスター達も消えました、これで人が住める土地を少し取り戻せました、ありがとうございました」

受付のお姉さんは頭を下げて言った


「そして今回のモンスター討伐と塔クリアの報酬は指定の口座に振り込んでますのでまたご確認下さい、ではお疲れ様でした」

そう言ってお姉さんは去って行った

良かった、皆のおかげだが給料が入った

でも、この仕事俺に向いているのか?そんな事を考えてる俺の背中をバンと楓が強く叩いた

「ひかる!くよくよするなよ、お前は必死に皆を助けようとした、良くやった、だから胸を張れよ?」

イヴもマリアも楓の話にうなずいた

俺は嬉しくて目の奥が熱くなった

誉められた、足を引っ張った俺を仲間だと思ってくれている…

今までの人生、ただぼんやりとしか頑張って来なかったが仲間の為に頑張って良かった…

それだけでまだこの仕事を続けられる気がした

この仲間は最高だな、そう思った

「皆!うまい物でも食べに行くか!奢るぜ!」

「お!ひかる気前がいいな!行こうぜ!」

「わたくしも気分がいいからついていって差し上げるわよ?」

「ひかる、イヴもいく」

イヴのあの以上なまでの強さは何だったんだろ?

少し疑問があったが

俺達は焼き肉を食べに行く事となり会社から出ると会社の外には凄い人だかりが出来ていたのであった



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