勇者達同棲する
「イヴ、もしかして住むとこ無いの?」
俺の質問に対してイヴはうなずいた
こんなかわいい娘を野宿させるわけにはいかないからな
「いいよ、イヴ」
「ありがとう、ひかる」
イヴは嬉しそうに微笑んだ
「いいこと聞いたぜ、なぁひかる」
楓が俺の首に腕をまわして掴んだ、顔に押し付けられた楓の胸は大きく少し嬉しかった
「どうしたんだ?楓?」
「オレもひかるの家に泊めてくれよー、今まで軍の寮生活だったから住むとこ探してたんだよ」
「別にいいですよ、どうせ家には誰も居ないから俺とイヴだけだから」
「ありがとうよ、ひかる、恩にきるぜ」
「同じ屋根の下で生活するからな、まぁイヴもよろしくな」
イヴはこくりとうなずいたが、少し不満そうに俺を見た
もしかして俺と二人きりが良かったのか?
まさか、そんなわけないよな
「わたくしは自分の家がありますので帰らせて頂きますね」
そう言ってマリアは俺達と別れた
会社の外にはいかにも高そうな車が迎えの為来ていた、この人本当に金持ちなんだな
こんなところで働く意味本当にないな
こうして後の二人は俺の家に付いて来たのであった
「ひかる、親は?」
「居ないよ」
俺を置いてでていきましたよ
「それは良かったなひかる、こんな飛びっきりの上玉二人とひとつ屋根の下なんだぞ、夜這いし放題だな」
そう言って豊満な胸をちらつかせた
ごくりと生唾を飲んだ
「冗談はよしてくれよ」
と、少し強気を見せたが
「冗談じゃないよひかる、以外と男前だからなオレはいつでもオッケーだぜ」
楓が近寄って来た
顔が近い近い近い、楓の吐息が俺の顔にかかるほど近づいた
すると、バッとイヴが間に入った
「ひかるはイヴと一緒がいいに決まってる」
「おっと、イヴちゃんもひかる狙いか?ひかるモテモテで良かったな、あっはっはっはー」
本当にこの二人と同棲して良かったのだろうか?先が思いやられそうだ
その夜、
「いやー旨かったなひかるー、お前料理上手だな」
ビールを片手に楓が言った
「そんな事無いよ、鍋料理なんて簡単だよ」
よく両親は家をあける事が多く俺はまあまあ自炊が出来たのである
「イヴ美味しかったか?」
「美味しい、すごく美味しい」
イヴは見た目が明らかに未成年の為ジュースを渡した
「良かったよ」
「じゃあ今から一緒に風呂でも入るか、ひかる」
「楓、酔っ払ってるなー、俺は後からでいいよ」
「ちぇー、同じ同居人なのにつれないな、イヴ一緒に入るか?」
「いい、イヴはひかると入るから」
「何でだよ、イヴ、楓と入ってきな、待っても俺は一緒に入らないよ」
そう言うとしゅんとした表情でイヴは楓と入っていった
しばらくすると二人は出てきた
「はぁー気持ち良かったなーイヴ」
「そうですね」
「じゃあ、俺もさっさと入るか、な!?何て格好で出てきてんだよ」
思わず向こうを向いた、なんと二人は一糸まとわず裸のままで出てきた
少し見えたイヴの体は透き通るような白い肌に小柄だが綺麗な形の胸、全てが見たことのないぐらいの綺麗な体をしていた
楓は豊満な胸と鍛えて引き締まっているが思ったほど筋肉隆々な体で無くとてもそそられる様な誰に見せても恥ずかしく無いような体をしていた
「いいじゃないかー、別に減るもんじゃないしなーイヴ」
「はい、ひかるにイヴの全てを見てほしい」
「おー、イヴちゃん以外と大胆だねー」
男にはかなり嬉しいイベントだったが俺はあえて言った
「二人共服を着ろー」
何とか今日と言う日が終わった、本当に何もしてないのに色々あって疲れた
明日の塔に行くと思うと緊張して眠れなかった
屋根にホットココアを持って上がった
しばらく、満天の星空を一人で堪能してると誰かが上がって来た
「イヴ?眠れないのか?」
「うん」そう言ってイヴは俺の隣に座った
まだ外は寒くイヴは少し震えた
俺は羽織っていた毛布の中にイヴを入れた
「ひかる、ありがとう」
そう言って、イヴの顔は少し赤らめていた
「ひかる、何飲んでるの?」
「ココアだよ、飲む?」
こくりとうなずいてイヴは俺のココアを飲んだ
あ、間接キスだ
「これすごく美味しい」
そう言って二人でしばらく星空を眺めた
「綺麗だな」
「うん」
何かこの仕事に不安がいっぱいで世界が色々変わってしまっていたがこういうのもいいな
そう感じさせてくれる夜だった
急に立ち上がってイヴは言った
「ひかるはイヴに名前をくれた、優しくしてくれた、だからイヴは命に変えてもひかるを守る」
「俺は大したことしてないよ、それにイヴの命をかけてまで守る価値のある人でも無いよ」
「そんな事ない、イヴはひかるに対して感謝でいっぱい、一緒にいると胸が熱くドキドキする」
「イヴ…」
「だから、ひかる本当にありがとう、おやすみなさい」
月に照らされたイヴの笑顔は他の誰よりも可愛かった、そしてイヴは下へ帰って行った
パシッと自分の顔を俺は叩いた
よし!俺も出来る限りの事をして頑張ってみよう!
そう心の中で決意し部屋に帰って眠った
次の日の朝、俺が起きるともうすでに楓は起きていた
「楓、早いな」
「おう、軍での生活が抜けなくてな、早くに目が覚めちまうのよ」
「今から朝食の準備するな」
「ありがとうよ、で?ひかる、塔に今日登るが武器は何を持って行くんだ?」
「武器なんて一般人は持ってないよ、とりあえず修学旅行で買った木刀でも持って行こうかなって」
「ぼ、木刀?あっはっはっは、それこそ修学旅行じゃないんだから、木刀じゃ無理だろ、ほれ」
楓は何かを投げて渡した
お、重い、こ、これは?
よくゲームとかで使うハンドガンだった
「ひかるにやるよ、素人でも使いやすい銃だ、ひかるみたいな一般人は例え木刀を持って行ったところで丸腰同然だからな、銃は持ってるだけで戦力にもなるし護身用にもなるぜ」
「ありがとう、助かるよ」
「いいぜ、仲間だろ」
楓、カッコいいな
ひかるはハンドガンを手に入れた
もらった銃をついでにもらったガンホルダーの中にしまったら俺は朝食の準備をした
ある程度朝食が出来ると
「おはよう、いい匂いがする」
そう言ってイヴが起きてきた
「おはようイヴ、え、えー!?どうしたんだよ、その格好」
イヴは薄いネグリジェ姿で出てきた
「熱かったから」
「いやいや、ちゃんと服を着なさい」
「分かった」
それをご飯を食べながら見ていた楓がからかって言った
「ご飯、美味しいぞ!おふくろ」
「おふくろじゃなーい」
こうして俺の朝はバタバタと始まった
「遅い」
この後、着替えに行ったイヴが二度寝したせいで俺達は30分マリアを待たして着いたのであった
今日から本格的に仕事の始まりだ
ついに俺達は塔に向かうこととなった