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4月からの勇者職

この何てこともない普通だと思っていた日に世界に新しい職業が生まれた 


世の中には色々な職業がある、医師、弁護士、作家、スポーツ選手、それに警察、自衛隊もある職業の中で世界に大きな変化があり生まれた職業がある

それは狩人職

そして、勇者職である


俺の名前はひかる、三度目の大学受験に滑ったいわゆる三浪である

もはや勉強する気力もなくただただ部屋に込もって一月ゲームだけの生活をしていた


はぁ、飽きた

ゲームばっかりも肩こるし、目が疲れるし、何か体力使うから辞めようかな

そう言えば、今回も受験駄目だったのに親父も母さんも何も言って来ないな

今まで受験失敗したら俺の部屋まで怒鳴りこんで来たのに今回来てないな

とりあえず俺は両親の顔色を伺うのともう一度受験させてもらえるように頼みに久しぶりに自分の部屋を出てみた

リビングに着くと両親の姿は無かった


あれ?いないのか?

するとテーブルに一枚の紙切れがあった

何々、何て書いてあるんだ?

ひかるへ

お前がこの手紙を読んでいる頃には父さんと母さんはもうこの家にはいないだろう

父さんはとりあえず仕事を辞めて退職金でリゾートで遊んで老後を過ごします

母さんはお前の面倒をみるのは大変だから父さんについていきます


え?えー?

何だこれ?

意味が分からない、親父の退職金そんなにあるのか?ってか俺の人生どうすればいいんだよ!


いや、何かこの手紙臭いぞ

それにうっすら何か書いてあるみたいだ

テレビで見たことあるぞ

炙り出しってやつか


とりあえずコンロまで手紙を持って行って炙ってみた

やはり何かの文字が浮き出て来た

やっぱり親父も母さんも俺の事心配して何か書いてあるんだな、良かったぜ

そこにはこう書いてあった


追伸

実際、お前に仕送りする金はもうない

それにもう帰らないからその家はお前にプレゼントフォーユーしちゃう

だから無駄な受験辞めて働け

以上

3月の初めの方の日付が書いてあった

ずいぶん前から二人は俺を置いて行ってしまっていた


しばらく何も考えれ無かった

働けってもう3月の中旬なのにどうやって就職するんだよ

何でこんな重要な事炙り出しで伝えるんだよ、直接言えよ

俺の愚痴は止まらなかった

怒りのまま、俺は手紙をボッと燃やした

どうしよう、働かなきゃいけないけど何をすればいいか分からない


しかし俺の今日の驚きはちっぽけなものでさらに大きな驚きがあることをこのテレビをつける瞬間まで知るよしもなかった

テレビには報道番組が写っていた

何だニュースか、何かアニメとかしてないのかよ

チャンネルを変えようとする手はテレビの映像を見て止まってしまった

そこには俺の知ってる日本には無かったものが無数に至るところに写っていた

新宿や六本木、秋葉原などの都会には絶対物価が高そうなところで建てる事がなさそうな中世とかによくありそうな巨大な塔が写り込んでいた

その映像は日本だけでなくアメリカ、ロシアなどの街にも同じ様な塔が写っていた

それにその塔の周りにはまるでゲームのモンスターが現実世界に出てきた様な異様な存在が写っている

「何なんだこれ?CGか?」

無意識に声がこぼれていた


画面のアナウンサーのお姉さんが何か解説している

俺は慌てて音量を上げた

「皆さん、ご覧下さい、一週間前に突如現れた塔の周りには依然としてモンスターがうろつき近づけません。今分かっていることはこの塔の付近にいるモンスターはこの塔の30キロ範囲に生息していてその範囲を考えると世界の十分の一は侵略されている様です」

嘘だろこれ…

俺の開いた口は塞がらなかった

「今、総理から重大な発表があるみたいです。生中継にてお送りします」

そう言って画面は切り替わった

「国民の皆さん、聞いて下さい。モンスターにおける被害は多数発生し世界は今、一団となってこの問題に取り組まなければならなくなりました。そして全世界の大統領や首相などが参加する第1回世界会議を設けまして今回決まった事を発表したいと思います」

俺はごくりと唾を飲んで総理からの言葉を画面に食い入る様にして聞いていた

「今回決まった事は私達はまだ何も分かっていないことが多すぎる為にそれを知るために塔を調べたいと思います。しかし地上でのモンスターの被害もあります。ですから、地上でモンスターを駆除し人を守る仕事を狩人職、塔に入り塔のいりくんだ構造いわゆるダンジョンを調べる仕事を勇者職とします」

狩人職?勇者職?どういう事だ?仕事なのか?

「命に関わる仕事ですが、人類の為に貢献出来る素晴らしい仕事だと思います!ちなみに年齢は18才以上、学歴は問はないのでどんどん応募してください!今回の発表は以上です」

「これにて今日のニュースは終わります」

命に関わる仕事何て俺に出来るか、俺は普通の仕事を探そう


しかし、俺は仕事を探すには遅かった

もうこの時期は新卒の採用が決まり就職は困難をきわめた

働かなくていいような貯金はもちろん無く、明日食べるお金も無く住む家の支払いも出来そうにも無くワラをも掴む気持ちで俺はこの新しい仕事に応募した

どちらかと言うと危なくなさそうな勇者職に履歴書を送ると即採用された


こうして俺は4月から勇者職に就職したのであった

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