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雨桜
ポツポツとビニール傘が音を立てる
降る雨と満開に咲く誇る桜
なんだか似た者同士のよう
まるで私とあなたみたいに……
華やかなあなたと
地味な私
つまらない私
どんな天秤にかけても
結果は変わらず
釣り合わない……
散りばめられる言葉に
何度反論しようと
外野の声は止まらない
あらぬ噂も立つ中で
どうして私ばかりと嘆き悲しむ
華やかに咲く桜のようなあなたには
道端に咲いたタンポポいや雑草のような私では
やはり釣り合わないのだろうか……
釣り合うはずもないか……
冷静に自身を見つめ直して決意を固める
あなたとはもう別れよう……
無理矢理に言い聞かせ
あなたに別れを告げようとする
瞬間
あなたの温もりを全身に感じた
私はあなたの懐の中で包み込まれていた
顔が体が熱くなるのを感じながら少し
ホッとした気がする
あなたの声が耳元で囁く
「周りがなんて言おうと僕は君の事が好き」
あなたの言葉が私の心を満たす
降る雨もやむかのような
満開の桜を
あなたは私の心に咲かせてくれた
「ありがとう」
想いを精一杯込めて呟いた




