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悲しくなんて……
欠けた月
霧が立ち
涙が滲む
暗闇を照らす月も星も
いつの間にか雲の中へ
消えてしまった
雲に覆われた空は
もの寂しげに
僕の瞳に映る
涙を零しても
雨を零しても
悲しみの
それ以上でも
それ以下でもない
ただ
悲しい
の一言で終わってしまう
それが普通……
誰かを愛していても
その人を失えば当然悲しい
世界はいつだって
悲しみで満ちている
僕だけが受けているものではない……
そう思えば 少しだけ
耐えられる……
君がいなくなったこの世界
僕は一人きりの夜を
今日も超えてゆくのだろう……
この悲しみの終わりを願いながら……




