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春に想いは……
大切な人が泣いたあの日
僕は隣にいることができなかった
散りゆく夜桜に街灯の光が重なる
僕は光から目を逸らすように俯いた
春風は冷たく僕の頬を撫でる
苦しくて 苦しくて
何もできない僕自身が情けなくて
大切な人を守れなくて……
行き場の失ったこの想いを
どこにぶつければいいのだろうか……
想いを受け止めてくれる大切な人はもういない
この夜空も 夜桜も 僕のこの想いを受け止めてはくれない……
見上げるだけで苦しくなるだけ…… なのだから……
誰か僕のこの想いを受け止めてくれ……
そうじゃなきゃ僕自身を壊してしまいそうだよ……
こんな想い
どうすればいいの?
溢れる想いを抑えきれずに漏らす僕
春風は無感情にも冷たく吹きつけた




