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ベンチ
広々とした空き地に
ポツリとあるベンチは
世界から忘れられたように
悲しげに そして
寂しげな面立ちで佇む
僕だけは……
僕だけはこのベンチを忘れない
大切な人との思い出が沢山詰まった
あのベンチ……
たとえ誰もが忘れたとしても
僕は大切な人との思い出とともに
思い出すだろう
あのベンチから見えた夕陽も
それを遮る電車も
大切な人の横顔も……
なぜだか胸が苦しくて
なぜだか目頭が熱くなって
いつの間にか泣いていた……
僕は忘れられてしまうのだろうか?
あのベンチを僕が覚えているように
僕を誰かは覚えていてくれるのだろうか……
僕は ベンチに腰をかけ
ゆっくり沈む太陽を眺めた
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