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あなたの嘘
最後の木の葉が落ちる
悲しい風は私の髪を靡かせ
冬の始まりを告げた
厚い灰色の雲は今にも雨を降らせそうで
冷たい風は私の体を震えさせた
どんなに寒くても
どんなに寂しくても
どんなに耐えても
あなたは帰ってこない……
たった一度のあなたの嘘
私は気付くことさえできなかった
「またね」
の言葉の意味も
あの いつにもない微笑みの訳も
過ぎた今にならないとわからなかった
カサカサに乾ききった唇を噛み締めて
あなたをただ……
想うことしかできない私
そんな私自身が大嫌いだ
あなたへの想いと共に
空に広がる灰色の雲から勢いよく
雫は落とされては
私の体に…… 心に……
ただ…… 染み込んでゆく
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