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夕立
オレンジに染められた空
静かに降り始めた雫
私に染み込んでゆく
まるで君からもらった想いのように……
辛さも 悲しみも 楽しさも……
癒えない傷は消えることもなく
僕を時々苦しめる
君にまだ会えるはずなのに
会えない現実が苦しくて
ふと君の顔を思い出しては
涙が頬を伝う
冷たくなった
この手を…… この体を……
君以外に誰が温めてくれるだろうか……
たった一つの拠り所を失った
今ではもう人さえ怖い
裏切られるのが怖くて
裏切ってしまうかもしれない僕自身が怖くて……
そんな僕をよそに君は笑っているのだろうか……
とっても羨ましい……
僕はふと思ってしまった
静かに降り始めた雫は
いつの間にか
激しく音を立てていた
他の音を…… 声を……
かき消すように……
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