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白書
本のページを捲る
捲っても捲っても
そこに文字は現れなかった
最後のページを……
恐る恐る捲る
やはりそこに文字はなかった
僕は今まで何を見てきたのだろう……
目の前の白紙の本は
何も語らない
僕は思う
この白紙の本はきっと僕の末路
僕には何も残らない
そんな気がした
悔しい…… 悔しすぎる……
僕が今までやってきたことはどうなる?
辛いこと 悲しいこと
嬉しいこと 苦しいこと 楽しいこと……
それが全部なかったことになる……
そんなの絶対に嫌だ……
僕はペンを取り
白紙に綴った
これまでの僕を
これからの僕を
僕の想いを隠さず全て……
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