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朝焼けに君を感じて
身も心も凍るような冬
道の傍らには雪だるまの他に
忘れられたように
無残にまとめられた雪がある
朝焼けを眺め
そこに君を感じた
束の間の温かさ
胸の苦しみも 溢れ出す涙も
君がくれたもの
寂しいのに 苦しいのに
不思議と温かい……
君と出会うまでの僕は
空っぽだった
何をやっても 何をされても
まるで他人事のように振舞っていた
そんな僕を君は
「好き」のたった一言で変えてくれた
君の存在が僕の存在に意味を与えてくれた
たった一人の
たった一言で 僕は救われた
そんな優しい君も僕を置いて
先に行ってしまった
「まだ何も返せてないのに……」
呟く言葉と同時にぱらぱらと
真っ白な雪が降り始め
あっという間に辺りを雪景色に変えた




