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桜の追憶
忘れてしまった記憶
そして 感情
美しく咲き誇る桜が散り
思い出された
懐かしい気持ち
誰かを好きという気持ち
なぜ 忘れてしまっていたのだろうか……
忘れたくなかったのに……
手のひらに落ちた花びらを
ぼんやりと眺め
ふぅっと息で宙へと還す
ひらひらとゆっくり落ちる花びらは
風に吹かれ 舞い上がる
僕の隣には君はいない
もう…いないんだ……
皮肉にも思い出されるのは
君の泣き顔
僕は何もしてやれなかった
君を笑顔にする
そんな約束を思い出し
出来なかった自分を責めた
溢れた罪悪感は涙へと形を変え
僕の頬を伝う
零れても零れても
治まることはなかった
桜の木を眺めたった一言呟いた
「ごめんね……」




