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臆病者
小さな手が触れる
この手はその小さな手を避ける……
宙を切る手は
パタリと君の元へと返る
そして君の表情は
いつもどおり曇り空
雨さえも降りそうなほど
雲行きは怪しくなるばかり……
ごめん……
謝る言葉は虚しく空気を揺らす……
冷たい外気が頰を刺し
君の表情が心を刺す
僕が全部悪いんだ……
これでいい……
君に誇れるような
人間ではないんだ……
期待されるような
人間ではないんだ……
僕は怖いんだ……
人に嫌われるのが……
だから僕は君に優しくしている……
君は僕にとって特別だけど……
きっとこの特別を
君は受け入れてはくれない……
臆病者の僕が恥ずかしい……




