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DOLL
眩しさで目が覚めた朝
一人ぼっちの時間
一人ぼっちの朝
一人ぼっちの世界
「みんな死んだってよ」
胸の内から響く声
「可哀想に 両親を事故で亡くすなんて……」
「身寄りもないらしいわよ」
何度も繰り返される雑音
僕は頭を掻きむしった
怒りや憎しみはない
ただ僕はこの世界に絶望した
どうせ僕はいてもいなくても変わらない
世界は勝手に機能する
つまらない つまらない つまらない……
色の抜け落ちた世界
無味無臭の世界に
なぜか想う
寂しい という感情
一人ぼっち……
そう 僕は一人ぼっち……
現実を突きつけられた
零れ落ちた涙をみて
なぜだか安心した
あぁ 僕にも感情はあったんだ
僕は人形じゃない……




