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別れの痛み
会いたいな
そんな一言がまた……
君を傷つける
積もる雪が
雪解け水に変わるように
冬が終わり春が来て
僕の想いが溶けていく……
君の想いが溶けていく……
固まった一つの氷に
ヒビが入りやがては
割れて離れ離れ……
あとは互いに溶けるのを待つだけ……
胸の痛みが
この体に溶け込むのを
待つだけ……
心臓から送り出される
血液のように
全身を巡っては
また心臓へ……
そして育む『私』の存在……
痛みとは脳の錯覚だろうか……
傷ひとつないこの体は
まるでボロボロなように
あちこちが痛む……
別れを刻む鼓動
別れを惜しむ鼓動
二つの鼓動は
次第に離れて
そして……
聞こえなくなった……




