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伝わるもの
たった一度の本当は
たった一度の嘘で
簡単に壊れた
君が嫌いと言う
僕が嫌いと言う
互いに見栄を張る……
そして
重なり続けた亀裂が
ガシャリと
まるでガラス窓が割れていくように
崩れ去っていく
本末転倒……
そんな言葉が
おそらく一番似合うだろう……
本心とは逆のことを言う
哀れに思われようとも
僕なりで君なりの
一つの形……
『心』なんて不確かなものを
そのまま信じられるほど僕らは強くない……
だからきっと
『言葉』を求めては信じ
そして
もがき苦しみ
挙句の果てに涙を零す
だから
なんだというのか
君の『心』は
痛いほど僕に伝わっている……
そう
この手を通じて……




