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あやとり
紐を手にかけ
あなたに差し出す
あなたは不満を言いながらも
これを取ってくれる
何回も繰り返す
言葉や想いを交わしている
そんな気さえしていた
もう十年も前のこと……
あなたは
どこで何をしているのだろうか
私の手の中に握られた紐から
あの時の想いが流れ込んでくるようだ……
取って……
くれるかな?
今もしあなたに会えたなら
あの日のようにまた
取ってくれるかな?
私はそっと手を開き
紐を手にかけた
そして空へと掲げ
取って!
精一杯の想いをぶつけた……
空は雲ひとつない快晴
眩しい太陽にほんの少し
あなたの面影をみた……




