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会いたいなんて……
言えないよ
言えるはずがない
会いたい
なんて……
小さな結晶が降り注ぐ
ふわり
ゆらり
ポタリ
地面に当たって
シミを作り
シミが重なって
やがて積もる
こんな季節だからだろうか
まるで思い出のように積もる雪
あなたと出会ったこの季節
あなたと別れたこの季節
あるのはただの現実だけ……
変わることも
変えることも出来ない
考えれば考えるほど
思い出せば思い出すほどに
ただただ虚しくなるだけ……
わかっているのに
どうしてだろうか……
会いたいなんて思ってしまう……
夢でもいいから……
私は積もる思いに
一歩一歩足跡をつけては
静かで寒い世界を歩き続けた……
君との思い出を探すように……
君との未来を探すように……




