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風は泣いた
風が泣いていた
いつもよりも冷たく頬を撫でる
一人歩く砂利道
一人歩く歩道橋
一人歩く住宅街
隣にいない君
僕は一人いつもの帰り道を歩く
思い出の学校も
思い出の通学路も
もう戻れない時間を想う
君の笑顔を思い出しては
胸が苦しくなる
気が付けばいつでも
君の面影を探していた
君がそこにいるんじゃないかと
探してしまった
君はもうここにはいないのに……
分かっているのに
分かっているはずなのに
どうして僕の心は君を求めるの?
どうして僕の胸はこんなに締め付けられるの?
嫌なんだ……
一人はもう……
嫌なんだ……
いっそ会いに行ってしまえばいい
そう想う僕の心を自身で抑え込む
もう いいんだ……
君をこれ以上苦しめるのは
嫌だから……
これが僕の大好きな君へ送る最後の言葉
ごめんね そして ありがとう
僕は君の幸せを心から願っています
さよなら 大好きな君 さよなら……




