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心の底が痒い
目を瞑り
想い巡らす
いつも変わらぬ横顔
映し出されては
まるでテレビの砂嵐のように
ザーッと消える……
忘れたいのだろうか……
忘れたくないのだろうか……
自分のことなのに
そんなことすら分からない
忘れたくないと思えば
逆に忘れられない……
忘れたくないと思うと
忘れない……
だから迷うのである……
人生という旅の中で
見つけなければいけない何かに
あと一歩手が届かない
背中の真ん中が痒いから
掻こうとしても掻けない
そんなもどかしさにどこか似てる……
気がつけばそれは治るし
ふとした瞬間に痒くなる……
あぁ煩わしい……
こんな思いをするのなら
出会わなければよかった……




