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さよならはもう、言わないで……
その手を見れば
その手に触れれば分かる
あなたの気持ち
真っ赤になったその手
冷たくなったその手を
握っては私の手もまた冷たくなる
でもたしかに温かくもなる……
あなたを
この手で
この身で
感じられている……
ただそれだけが
どうしようもなく嬉しいの……
止まない北風も
止まない雨も
真っ暗な夜道も
あなたと一緒なら
どうってことない
小さな街灯はぼんやりと
一人佇む……
あなたがいてくれるだけ
ただそれだけでいいから……
さよならはもう……
言わないで……




